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ヒカリのその先へ -1-

先日は3周年の記事に温かいコメントをありがとうございました。

大切に読ませていただいております。皆様のお気持ちに励まされて元気を頂いています。
少しずつお返事させていただきますのでよろしくお願いいたします。


今回久しぶりの創作なんですがちょっと違った創作をしてみたいと思います。
実は少し前にあるオリキャラのその後のお話を読んでみたいというリクをいただいたことがあってそこから派生したお話です。
ありきたりなストーリーでしかも完結していないので超不定期更新です。因みにイリコト率はとても薄いです。

それでもお付き合いくださる方は続きからお願いします。

さて、どのオリキャラのお話かな・・・??




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・












 幼い頃。おれは仕事に打ち込む父の背中に憧れていつか父の様になりたいと何の疑いもなくただ純粋に夢を見ていた。
 無機質な空間の独特な薬品の香り、緊張感。そして真っ白な白衣。背筋を伸ばして立つ父の姿。何もかもが格好良くて堪らなかった。
 それがいつからだろう。大きくなるにつれて分かってきた拒否権のない未来へのレール。
 こうならなければならない。
 こうなるべきだ。
 有無を言わさず決めつけられたことが鬱陶しくて息苦しくて。
 憧れていたはずのもの全てを全力で突っぱねた。
 『おれという人間は、1人の人間として求められているのだろうか』
 なんだか人としてではなく道具として扱われているような感覚。そう思ったら最後、その思いがどんどん強くなって人間として生きる意味を取り上げられたように感じて・・・凄く・・・悲しくて・・・悲しくて仕方がなかった・・・。


 敷かれたレールの先へ向かうための努力する事をやめても特に変わりはしなかった。
 勉強は授業を聞いていれば何とかなるし、運動も可もなく不可もなくそつなくこなせる。
 劇的に変わったことといえば、やっぱり外見くらいか。
 大人しい優等生の象徴の様な容姿は見る影もなく真っ黒な髪は陽に当たれば透き通ってしまう程に茶色くなって耳には数個のピアス。
 生徒指導の常連の姿を見れば昔からの知り合いは同一人物とは思いもしないだろう。しかも黒髪の時では想像も出来なかった事なのだが、どうやら彼はなかなか整った顔立ちをしていたようで、高校に入学して瞬く間に注目されてしまい今では隠れファンクラブが出来るほどのそれはそれは人生最大のモテ期が到来していた。
 でもいろんな要素が重なったとはいえ、こうなってしまうことは予想できたかもしれない。
 頭が良くて、スポーツも万能で、イケメンで。これだけ揃えばもうモテ要素はバッチリ整っているのだが実は家が病院を経営しているということが一番大きいかもしれない。所謂お坊ちゃんだ。
 地元では知らない人は居ない、地元密着型の老舗病院の一人息子。それがこの男、松田智弥の素顔だ。

 簡単に坊ちゃんというけれど、一人っ子であるが故に、智弥は物心つく頃から両親、特に父親の教育は厳しく、そして周りからの期待も大きかった。
 親の期待を何の疑いもなく受け入れていた幼少期は智弥自身も必死で叶えなければならないと出来る限り努力をしていた。
 それが180度変わってしまったのはある日、リビングでテレビを見ながら寛いでいたとき呟いた智弥の何気ない一言がきっかけだった。その一言はその場に居た父親の逆鱗に触れることになる。
 『おまえはここの病院を継ぐ以外に道はない。その為にどれだけおまえに尽くしてきたのか。』
 反論も相づちも打つことも許されず、ただ父の怒りを受け止めながら智弥はここには「自分」という個性は認められていないのだとただ絶望した。
 誰も智弥という人間を必要としていないのかもしれない。
 智弥が必要なのではなくて『後継者』がいれば誰でもいいのだ。
 そう思うとあっと言う間に心は闇に巣くわれる。
 存在価値や生きる意味が途端に分からなくなって、敷かれたレールの先にあった筈の微かでも光っていた未来が一気に暗闇へと変わる。
 真っ暗な闇に放り込まれれば当然進んでいた足は止まる。
 そうして智弥は1人で抜け出す術を失ったのだ。







 「智弥ー。やっと帰ってきた。」

 「おー・・・。」

 
 ぐったりと疲弊しきった智弥の顔を見て、教室で雑誌を読みながら智弥の帰りを待っていた友人は同情を向けた。


 「松本が怒ってたぞ、日直の仕事押しつけてどこ行ってるんだって。」

 「あー忘れてたわ。明日謝っておくわ。」

 
 今日も今日とて進路指導室へのお呼び出し。
 受験生なんだから真面目に考えろと担任から突き返された白紙の進路希望用紙を放るように机に置くと智弥はぐったりと机に突っ伏した。


 「坊ちゃんは大変だねー。」

 「うるせー。」


 からかい気味に笑う友人に智弥は伏せたまま視線だけを向ける。
 小学校からの腐れ縁の真斗は智弥を理解してくれている唯一の友人だ。
 真面目に夢に向かっていた頃も、1人悩んで苦しんでいた頃も、そして変わってしまった今も、全部見届け、見捨てることなく傍にいてくれる。
 智弥にとって真斗の存在は何よりも心強い。


 「・・・真斗」

 「んー?腹減ったか?なんか食って帰る?」

 「おれ・・・やっぱり親不孝な人間かな・・・」

 「は?!」


 金髪で「校則は破るためにあるんだ」と主張せんばかりの格好をしておいて何を言い出すのかと思えば。
 真斗は読んでいた雑誌を落とし、ぶはっと吹きだした。


 「わ、笑うなっ///」

 「ぶぶ・・・ヘイヘイ。」


 反抗しながらもこうやって気にしてしまうところは昔と何も変わらない。見た目からでは入学以来ずっと成績1位を維持し続けているなんて誰が思うだろうか。
 智弥は生活指導の教師に目を付けられて反抗することはあっても、それ以上の問題や警察のお世話になるような事を起こすことはない。入学したばかりの頃、どうせ分からないだろうという教師の嫌がらせで当てられたことがあったが迷うことなく正確に答えて尚かつ教師本人が気付かなかった問題ミスを指摘するとう仕返しをするという可愛くないことをやってのけたのは同級生の間では有名な話。
 そう、智弥はひねくれてはいるけれど一応素行の良い(?)不良なのだ。
 今では智弥の本質が真面目であることは誰の目から見ても明らかで、だからこそ教師は外見も進路もちゃんと考えろと五月蠅いほどに言い、呼び出してくるというのもある。
 けれどその一連の行動には智弥の葛藤が垣間見えているのも確かで、真斗はそんな智弥の心を思うとため息が零れてしまう。


 「おまえは相変わらずというか・・・可愛いねぇ。」

 「あ゛ぁ゛?!」


 ニヤニヤしながらぐりぐりと形の良い頭を撫でれば智弥はバタバタと抵抗を見せる。今も俯いて表情ははっきりと見えないが可愛いと言われてほんのり赤くなっていて真斗はそんな智弥がおかしくて堪らない。


 「ま、確かに理不尽とはいえ親に反抗しまくってるんだから、おまえのその可愛い質問に対しておれが改めて答える必要はないと思うけど。でもこの馬鹿やってきた3年間で得たものはそれなりにあっただろう?」

 「・・・そんなのわかんね・・・」


 相変わらず突っ伏したままのくぐもった声で返されて真斗は「ふーん」と相打ちを打つ。


 「てっきりおれは無理して女好きを装ってるのには何か理由があるのかなーーー?って思っていたけどね。」

 「!!」


 思わず顔を上げればそこには真斗のいつもの笑顔がある。けれど笑顔の中の目に見透かされているようで智弥はすぐに目を逸らした。


 「装ってもいねーし。あれは女子が勝手にくっついてくるだけでおれは女好きだと公言した事もねーよ。」

 「そうだとしてもあんな風に毎日女子はべらせてたらそう見られて当たり前だろうが。だいたいおまえのタイプじゃない奴らばっかりじゃ気付かないわけねーしな。」

 「・・・。」

 「どーせ、おまえの事だから相変わらず貞操守ってるんだろ。今度記念に千●屋の高級佐藤錦でも贈ってやろうか?あ、それともワイルドなアメリカンチェリーがご所望?」

 「うるせーーー!!///」


 好き勝手言われて智弥は叫んでみるが、真斗が黙るはずもなく更にたたみ掛けるように口を開く。

 
 「そういえば、ついこの間まで珍しく執着していた子が居たらしいな。確か斗南高の琴子ちゃんだっけ?」

 
 これまた痛いところを突かれて智弥はただ固まるしかなかった。この件に関して真斗に一度も話したことはなかったのに一体どうしてと思った瞬間に「女子が騒いでたから。」と言われて「そうかよ。」と納得した。

 学校内外でも人気のある智弥だが言い寄ってきた女子に興味を持った事はこれまで一度もない。
 来る者拒まず去る者追わず。それが智弥のスタイルだ。というか最初は律儀に断っていたり逃げていたりしていたがどうでも良くなったというのが正しいのだけれど。
 幼い頃からの付き合いの腐れ縁ともなれば何もかもお見通しらしい。
 何も言わず、けれど経緯を話せと視線を送ってくる真斗には敵わない。智弥は「分かったよ」とため息を吐くと口を開いた。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 ということで。中編『手を伸ばせば・・・』に出てくるトモヤくんのお話です。
 覚えていますか?トモヤくん。
 ただのヤンキーじゃないんですよ(笑)トモヤくんって。
 彼には彼なりの悩みがあるみたいです。
 
 そんな彼にもハッピーエンドを作ってあげようと思います。
 よろしければ見守ってやってください(^^)
  




 

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Re: 紀子ママさま。

こんにちは☆

コメントありがとうございます♪

そうです~。トモヤ君です(^^)思い出していただけて嬉しいです。
トモヤ君にもいろんな事情を抱えてるということで・・・。坊ちゃんはいろいろと大変なんですね・・・。
和尚ではないオリキャラメインなのに楽しみと仰ってくださって本当に嬉しいです!!絶対需要ないと思ってたのでっっ!
ボチボチと書いていきますのでこの先の智弥くんを見守ってあげてくださいね(^^)

Re: たまちさま。

こんにちは☆

コメントありがとうございます♪

大蛇森って(笑)我が家には出てこないキャラですね!!
大蛇森先生でお話が書けたら楽しい展開になりそうですけど私には無理だっっ(>_<)

オリキャラ歓迎して下さってありがとうございます(^^)
入江くんほどの坊ちゃんではないんですけど日々周りからの期待が大きくて同じ境遇だったりします。
一人っ子ですしね。
たまちさんもそういう経験お持ちですか(>_<)私もありますよー。親にこんな筈じゃなかったって言われたことがあります(苦笑)どういう期待してたんだっって思いますけど、私も子供が成長していくとそういう感情を持つのかなって思ってます。

ありきたりな展開には違いないですがオリキャラ智弥くんの今後を一緒に見守ってやってくださいね。

Re: ねーさんさま。

こんにちは☆

コメントありがとうございます♪

ねーさんさん鋭いですね!気付いてくださって嬉しいです。そうです松本さんはあの松本さんですよ(^^)
今後登場できたら良いなという願いを込めてまずは名前だけ登場です。
オリキャラメインですが大好物とか本当に有り難いです。
佐藤錦智弥もいつか大切な子が現れるように祈ってやってください(笑)
ボチボチと書いていきますので更新できた際にはお付き合いよろしくお願いいたします(^^)
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