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こんな夜も悪くない。

イタキス期間も無事に終わりそろそろクリスマス準備しないとなーと思いながら描いたイラストにお話をつけたというちょっと、いやかなりふざけたお話です。

いつもの事ながら入江くんが崩壊していますので大丈夫な方のみお進み下さい。

こんな創作していますがイタキス大好きです!!





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 「何でこんな事になっているんだ・・・。」


 直樹は外のイルミネーションをぼんやり見つめながら1人ごちた。
 今の状況をイマイチ飲み込めず、また自分の意思に反している事が不愉快極まりない。
 いつもと変わらない車内で異様に張りつめている空気に耐えきれなくなったようで運転手はルームミラーでタイミングを計り「申し訳ございません」と謝罪した。運転手は何も失態などおかしてはいないのだけれど謝らずにはいられないという心情なのだろう。直樹はすぐにそれに気付き苦笑いをした。


 「今日は奥様から社長代理を家まで必ず送り届けるようにと託かっておりますので・・・。」

 「いえ、いつも母が無理ばかり言って、大変でしょう。」

 「とんでもない。社長や奥様にはいつもよくしていただいて・・・。」


 時刻は18:20。
 本来ならまだ会社で書類と向き合っている時間。
 大泉グループから融資を受け始め、なんとか会社を持ち直す道筋が立ってきた今、こんな事をしている場合ではないはずなのだ。
 一企業なればいくら就業時間が過ぎたからといって定時きっかりに帰宅するという社員は殆どいない。
 経営状況がよくない今、景気が良かった時のように残業代もつかない。けれど良識を持った社会人ならば経営状況に関係なく今やるべき事が目の前にあるのならばそれに取り組むもの。
 一般社員がそうであるならば社長代理を務めている直樹なら尚のこと。まだ復帰したばかりの父の仕事を手伝いながら自分が抱えている仕事をもこなさなければならないのだ。
 クリスマスだろうが正月だろうがこんな事で仕事を途中放棄し帰宅するなんてあり得ない。
 けれど、今日は重樹からも秘書からもそして運転手からも早めの帰宅を強く促されたのだ。
 やることが山積みで帰るなんてあり得ないと言ったのだがあまりにも懇願されてしまったので帰宅することを了承したがここまで来ると誰がそうさせたのか自ずと浮かび上がってくるもので、直樹は大きく溜め息を吐くしかなかった。
 しかもその力は家庭内だけでなく会社にまで有効とは・・・。
 さすがパンダイの名を使い結婚式場を強引に押さえただけある。
 仕事納めまでまだ数日あるというにもかかわらず「良いクリスマスを」と送り出されて陰の支配者が一体誰なのか改めて思い知らされたそんな気がした。
 
 実は心の奥底で予想出来ていたのかもしれない。
 何せ結婚して初めてのクリスマスなのだ。紀子が何もせず大人しくしているわけがない。
 12月に入ってから、顔を合わせる度にクリスマスはどう過ごすんだ、パーティを開くから当日は休みを取るか定時で帰るかしろ、琴子へのクリスマスプレゼントは忘れるな等しつこいくらいに言われた。
 初めのうちは軽く受け流していたもののあまりにもしつこすぎて最終的には直樹がブチ切れ盛大な親子喧嘩になったのは記憶に新しい。
 それからというもの紀子と顔を合わせたくなく日付が変わる時間に帰宅することが増えていた。
 本当は早く琴子に会って温もりを感じたいと思うのだけれど、紀子のしつこさと増え続ける仕事量を前にその思いだけがどんどん身体に溜まっていった。


 煌びやかなイルミネーションを抜け、生活感溢れる住宅街の坂道を登る。
 家に到着して直樹が下りると一礼して走り去っていく車がいつまでも停まっている事に直樹は疑問を抱きながら玄関を開けるといつからそこに立っていたのか紀子が「遅い!!」と睨んだ。


 「今日は定時で帰ってくるはずでしょう?いつまで仕事しているの?!お兄ちゃん。」

 
 帰ってきての出迎えの第一声がコレかっ
 久々の母との対面に鎮まっていたイライラが再燃する。


 「誰のせいでこうなったんだと思ってるんだ!!そもそもクリスマスだからって社長代理が定時早々帰るなんてあり得ないんだよ!!」


 母の常識は世間の非常識。
 そのジャ●アン的思想は切り捨てろ!!何度そう訴えてきたか分からない。
 直樹が訴えてきた分免疫もしっかり備わっている紀子はにんまりと笑い直樹を迎え撃つ余裕がある。


 「あら、そんな心配は無用よお兄ちゃん。今日は全社員NO残業デーにするようにパパに頼んでおいたから。」

 「は?」

 「こんな素敵な日にお仕事なんてあり得ないでしょう?本当は臨時休暇にして欲しかったんだけど100歩譲ってあげたのよ。」

 「アンタ一体何様のつもりだ!!!そんな事したら漸く受けられるようになった融資も止められるぞ!」


 上空何千メートルから世間を見下ろしているんだか。直樹は我が母親の思考回路が理解できない。
 漸く会社を建て直せるかもしれない時に会社に私情を入れるなんてあってはならないけれど紀子には紀子の言い分があるらしく、酷く冷静な声で直樹を呼んだ。


 「あなた、いつも会社のことばかり気にしているけれどもっと大事なことがあるでしょう?」

 「そんなことわかってるっ」

 「分かっていないわ。あなた、琴子ちゃんが何も言わないからって、もう少し気に掛けてあげなさい。確かにあなたも苦しい思いをして今も大変でしょうけど琴子ちゃんはあなた以上に苦しい思いをしてきたのよ?お兄ちゃんが一番よく分かっているはずよね?」

 「だからってっ!!」

 「じゃあ私が何もしなかったら琴子ちゃんに何か用意したのかしら?」

 
 紀子の問いに凄んでいた直樹が一気に引き下がる。
 仕事優先で突っ走ってきて琴子へのクリスマスプレゼントなど何も用意していないことをあっさり見抜かれ、やっぱりね。と紀子は呟いた。


 「今日は出来る限り琴子ちゃんに尽くしなさい。きっと琴子ちゃんビックリするわよ?お兄ちゃんの顔見たら。」

 「は?」


 ムフフ・・・と三日月型の目でほくそ笑む母に嫌な予感が脳裏をよぎる。
 帰ってきて早々言い合いになって気にしていなかったのだが目の前の紀子はフォーマルドレスを身につけていた。いくらクリスマスパーティをするからってホームパーティでそれはいきすぎだろう。
 しかもリビングから様子を覗っている裕樹もスーツ姿だ。
 これは何かある。過去の経験から良くない方向へ事が動いていると確信できたとき、玄関の外で待機していた運転手がタイミングを計ったかのように声を発した。


 「奥様、そろそろお時間でございます。」

 「あら、もうそんな時間かしら?じゃあ、そろそろ行きましょうか。」


 じゃああとはよろしくね♪
 と裕樹を連れて出て行こうとする紀子を捕まえて「どういうことだ?」と問いただした。


 「今日は会社の取引先主催のクリスマスパーティーがあるのよ?大切な取引先様だから将来跡を継ぐ裕樹を紹介できる大事な機会だから行ってくるわね。」

 「そんな事聞いてない。」

 「そうね、言ってなかったもの。」
 
 「は!?そんな大事な取引先ならそれこそおれも挨拶に行かなきゃいけないだろう!」

 「大丈夫よ。長男は新婚で新妻と二人っきりで過ごしたいって言ってると伝えたら快く承諾してくださったから。」

 「誰がそんなこと言った!!」

 「私には分かるのよ。お兄ちゃんの心の中、もうっムッツリさんなんだから♪」


 話が全く通じない。かみ合わない。そして確信犯が開き直ると末恐ろしい。
 話をするだけ無駄。余計な体力を使うだけ。
 直樹はもうそれ以上その話題は触れたくないと思った。
 でも、何も言わないことが肯定を意味しているなんて今の直樹は気付きもしないのである。


 「・・・で、琴子は?」


 これだけ盛大に騒いでいるのに琴子の姿が見えない。
 どんな時でも直樹が帰ってくるとすっ飛んでくるのに出てくる気配が一切ない。
 クリスマスだから張り切って料理でもしているのだろうか。それとも入浴中だろうか。もしくは寝ているのか。体調を崩しているのか。
 いろいろ考え巡らしていると、紀子が肩を叩きこっそりと耳打ちをした。


 「琴子ちゃんはお部屋で一生懸命お兄ちゃんへのプレゼントを作っているわよ。琴子ちゃん、今日もお兄ちゃんの帰りは遅いと思っているから。因みに琴子ちゃんにも私と裕樹が出かけること言ってないの。」

 「はぁ?!」

 「じゃ、あとはよろしくね。お、に、い、ちゃん♪ あ、それと琴子ちゃんのプレゼントが美味しすぎるからって食べ過ぎちゃダメよ。」


 そう言い残して紀子は裕樹を連れ、さっき直樹が乗って帰ってきた車で出掛けていってしまった。
 嵐の後の静けさとはまさにこの事だろうと思うほど静かな家の空気にホッと胸を撫で下ろすと直樹は漸く靴を脱いだ。







 リビングには色とりどりの夕食が用意してあった。
 でも明らかに琴子が作ったものではないと分かる。
 唯一、バランス悪く盛りつけられているサラダくらいだろう。
 でも琴子の姿がない。
 直樹がなかなか帰ってこないと思って寝室にいるのだろう。
 階段を上がり廊下を歩くと案の定寝室のドアの下からうっすらと明かりが漏れていた。
 ドアの向こうに琴子がいる。
 毎日顔は合わせているけれどゆっくりと過ごせるのは久しぶりだ。
 それが紀子の策略だとしても正直嬉しい。
 直樹は少しばかり高揚する心を落ち着かせ、ゆっくりとドアを開けた。




 が、目の前には高揚する心が動揺してしまう状況が広がっていった。


 「な・・・なに・・・してんだ・・・?おまえ。」


 さっき紀子と言い合いしたから声が掠れて上手く出ないのか。
 いや、違う。きっと琴子が直樹の想像の範疇を超えるような事をいとも簡単にしてくれるから脳が追いつかないからだ。
 部屋中に流行のクリスマスソングが響き渡る中、琴子はベッドの上で1人ブツブツと独り言を呟きながら自分の首にリボンを巻き付けていた。
 自分の首にリボンを結ぶことに集中しまくっていたらしい琴子は直樹の気配に暫く気付かなかったらしく直樹が強めにしたドアのノック音で漸く気付いた。


 「え?!入江くん?!なんで?!」

 「なんでっておまえ・・・」


 こっちが聞きたいわ。
 と直樹はつっこまずにはいられない。
 琴子はミニ丈のサンタワンピースを着ていた。




 20131126-1.jpg





 細い手足を惜しむことなく晒し、白い肌は着ているワンピースの朱を綺麗に引き立てている。いや、どっちかというとワンピースが白い肌を引き立てているのかもしれない。

 まだまだ慣れない居心地の悪い乙女部屋にこれでもかというくらいに露出している琴子の姿は琴子欠乏末期の直樹に大きな衝撃を与えてくれる。
 勘弁してくれと小さく呟くとドアの鍵を締め、開けっ放しのカーテンを勢いよく閉める。
 そしてとりあえず冷静を心がけて「で、」と琴子の目を見た。


 「もう一回聞く。何してるんだよおまえは。」

 「ええと、上手にリボンが結べなくて困ってて。あたし、昔からリボン結び出来ないんだよね。どうしても縦結びになっちゃって・・・。」

 「・・・。」


 そこじゃなくてっ!!
 と突っ込みたいのをグッと押さえて直樹は琴子の首に掛かっているリボンを奪い綺麗に結び直してやる。
 結び目の長さを考えて中心より少しずらして結んでやると左右均等に仕上がる。
 一発で結んでしまった直樹に琴子は「すごーい!」と感動するばかり。

 
 「言い方を変える。おまえはなんでそんな格好をしているんだ。」

 「え?!あ、あのこれはっ!!」


 漸く自分の姿に気付いた琴子は慌てて身を隠そうとして身体を丸く屈ませる。
 ネコのように丸くしたせいでスカートの裾が更に短くなり見慣れたものが目に飛び込んできた。


 「・・・そこはブレないのな、バックプリント。」

 「へ?あ!きゃあ///」

 このギャップはなんたるものか、と直樹は内心呟き琴子は真っ赤な顔でスカート押さえ「こ、これは訳があって!」と漸く直樹が求めていた答えを口にし始めた。


 「入江くんと両思いになって初めてのクリスマスだから、入江くんが一番欲しいものをあげたいって悩んでたらお義母さんがこのワンピース着なさいって渡されて・・・。これ、ドレスのサイズから作ったオリジナルのワンピースなんだって。」


 確かに琴子のサイズに合わせてあるだけあってしっくりと身体に合っている。


 「でも、あたしがこんな服着たところで入江くんはなんにも嬉しくなんてないでしょう?そしたらまたお義母さんがだったらリボンを首に結んでお部屋で待ってるだけで十分だって。ねぇ入江くん。どういう意味なんだろうね。」

 
 なるほど。
 だんだんと紀子の策略の全貌が見えてきた。
 これは会社を巻き込んだ紀子の悪趣味なおもてなしらしい。
 正直直樹は紀子が絡んでいるというだけで大変面白くないのだが、それ以上に琴子不足なので今回は紀子のおもてなしとやらを素直に受け取ってやろうなんて思う。
 けれど、目の前にいるのは超天然の琴子だ。
 この状況がスムーズに進んでいくはずもないのだ。
 

 「あ、それと、あたしだけこんな格好して入江くんは普段着なんて格好悪いから入江くんの衣装も用意したの。これも入江くんへのプレゼントって事で。」


 上目遣いで恥ずかしそうに差し出す琴子から乱暴に包みを受け取ると早速開けてみると中には茶色の洋服が入っていた。


 「な・・・」

 
 それは直樹の身長分の丈がある茶色いフリース生地の繋ぎ。
 フード部分にはくりっとした目に真っ赤な鼻。少々張りのない長いツノに襟元にはドラ●もんを連想させるような黄色いベル(ドラ●もんは鈴でしたね(^_^;))ご丁寧に蹄柄のソックスも入っている。
 「な」しか発せずプルプルと震えている直樹を見て琴子は感動の震えだと勘違いして「気に入ってくれたんだね♪」などとご満悦な様子だ。


 「可愛いよね♪トナカイの着ぐるみだって♪これも入江くんのスーツサイズからお義母さんが作ってくれたんだって!だから入江くんにきっと似合う・・・」
 「わけないだろっ!!!」


 直樹は手にしていた着ぐるみを力いっぱい床にたたきつけた。
 言わずもがな直樹の身震いは紀子の呆れ果てさせるような行動力と琴子の空気を読めない天然ッぷりに対しての怒りだ。

 
 「仕事で疲れて帰ってきた早々こんなアホなことに付き合えるかっ!」


 目の前には理性をズタボロに砕く威力を持った新妻が自覚なしに煽ってきていて触れる距離にいながら突っ込むことがありすぎてお預けされている状態はあまりにもキツ過ぎる。
 もう直樹にとっては拷問でしかない。
 一方喜んでくれると信じて疑わなかった琴子は予想外の反応に「ええ~?」と眉尻を下げた。


 「だってお義母さんが太鼓判を押してくれたのよっ!この格好でトナカイの入江くんの上に乗ってあげたらきっと大喜びするわって!!」

 「はっ?!」

 
 琴子がおれの上に乗ってくれる?そのサンタの格好で・・・?《ここで問題:直樹は今どのような想像をしているでしょうか?》


 「そんなこと言わずに・・・。」
 「却下。」


 あっさりと拒否されて琴子はガックリと項垂れた。
 そして「せっかくトナカイの入江くんの背中の上に乗ってお馬さんごっこが出来ると思って楽しみにしていたのに・・・」という小さな呟きが聞こえる頃には直樹の我慢の限界だった。


 直樹は着ているスーツを乱暴に脱ぎ、ネクタイと緩めると琴子の肩を強めに押した。
 バランスを崩した琴子は小さな悲鳴と共にベッドへ倒れてしまいその拍子で短いスカートが捲れ慌てて直していると、ベッドの軋む音と大きな影が琴子にかかった。


 「おまえ、それ本気で言ってンの?」

 「え?」

 「おれがそんな子供の遊びで満足すると本気で思ってんのかって聞いてるの。」

 「・・・。」


 身動きが出来ないくらいに琴子に覆い被さり、ぼやける程の至近距離まで近づいて問いつめる。 
 直樹の前髪が琴子の額にかかり、琴子はくすぐったそうに目を瞑った。
 そして大好きで愛しい直樹がこんな近くにいる、そう思うと緊張で心臓が更に五月蠅く響く。


 「琴子。」

 「・・・思って・・・ない、か・・・な・・・///」

 「じゃあ、どう思っていると思う?」


 直樹は問いかけながらさっき結んでやった琴子の胸元の大きなリボンをしゅるりと解いた。
 琴子の栗色の髪と緑色のリボンがシーツに散らばる光景は直樹の本能を更に掻き立ててくれる。


 「それは・・・///意地悪だよ・・・いりえくん。」 


 これだけ焦らされたんだ、これくらいしてもバチは当たらない。
 直樹は自信を持って訴えることが出来る。というか訴えた。
 

 琴子は少しだけ頭を持ち上げて押しつけるように唇を合わせる。
 その行為は一瞬で終わり琴子の頭がベッド沈む前に直樹はそれを追いかけた。
 暖房が効いて少し乾燥していたからかお互いの唇はサラリとしていたが直樹が少し琴子の唇に舌を這わせた為に一気に潤う。
 舌を絡ませる事はせず、お互い少し唇を開いている状態で唇を合わせれば小さな手が直樹の背中に縋り付く。
 

 「入江くん。」

 「ん?」


 少し長いキスをして離れた瞬間琴子が直樹を呼んだ。


 「遅くなっちゃったけど、お帰りなさい。」

 「ふ・・・ただいま。」

 「今日もお仕事遅いと思ってたから早く帰ってきてくれて嬉しい。」

 「ああ。本当は遅い予定だったんだけどな、強引に帰らされた。」

 「へ?」

 「今日はクリスマスだから全社員残業禁止デーなんだと。で、おふくろと裕樹は取引先とのクリスマスパーティーで親父と一緒に出かけて行ったよ。」

 「・・・ええ?!だって今日おうちでクリスマスパーティーするってお義母さんが・・・。」

 「残念ながら今夜はおれ達二人きり。」


 そう言うと直樹は両肘の間に琴子の頭を囲いおでこにキスを落とした。
 
 そして・・・


 「どうする?」

 「え?」

 「もう夕食の時間だからリビングで飯を食うか、それとも飯はあとにしてここで過ごすか。」

 「・・・え?」

 「悪いけど今日、こんなに早く帰るつもりじゃなかったからおまえへのプレゼントなんて用意してないんだ。だからこれからどう過ごすか選ばせてやる。但し、この2択から選べ。外出はなしだ。」


 選択権を与えておいて2択しかないとは少し理不尽な気もしないでもない。けれど、そんなこと琴子にはそうでも良いことだった。
 だってどちらとも直樹が近くにいるから。
 直樹と一緒に過ごすことが前提としているから。
 
 琴子の前髪をかき上げながら直樹は答えを待つ。
 くすぐったそうに笑ったあと琴子はぎゅっと身体を直樹に寄せた。


 「あたし、入江くんと一緒にいられればどこでもなんでも良い。どういう方法が入江くんを一番に感じるのかな。」

 「おまえ・・・」

 
 煽ってんのか?!
 そう思った瞬間琴子からのキスがまた落ちた。
 必死に直樹にしがみついて唇を合わせる琴子はそれはとても愛おしい。
 直樹は腕で琴子の頭を支えてやるとゆっくり舌を差し入れた。
 戸惑いながらも応えてくれる琴子に直樹は今度こそ理性が焼き切れた。


 「やっぱり今のなし。決定権はおれにある。」

 「・・・んっ」


 飯なんて食ってられるか。
 直樹唇が重なる瞬間、琴子に囁くと噛みつくようなキスをした。
 琴子にもっと触れたい、感じたいという欲求は底なしで思えば思うほどどんどん強くなり薄れることはなかった。触れれば欲はもっと増えていくばかりで直樹はこの新しい感情が現れる度に自分が人間らしくなったようなきがして、それが琴子から由来するものだと思うと笑ってしまう。
 でもぎゅっと胸が締め付けられるこの感情はとても心地が良いのだ。
 そして恥ずかしそうに、一生懸命受け入れ、応えてくれる琴子は本当に愛おしい。
 きめ細やかな琴子の肌にキスを落としながら直樹はベッドサイドの照明を落とした。

 本当は明るいところで琴子の全てを見ていたいけど暫く解放させてやれないから勘弁してやる。


 「入江くん。」


 胸元にキスを落として朱い印をつけていると甘い吐息と共に名前を呼ばれる。


 「ん?」

 
 小さな明かりのみの部屋でぼんやりと琴子の姿が見え、その中でゆっくりと視線を合わせた。


 「大好きだからね。」

 「・・・あぁ、おれも・・・」




 大好きだよ。誰よりも。



 
 そんな想いをこめて直樹はもう一度琴子にキスを落とした。


 
 大好きな人と過ごせること。
 
 直樹はそれが何よりも幸せであることを知った。

 








 



 「ん・・・入江くん」

 「なに」

 「せめてこのトナカイカチューシャを・・・」

 「おまえちょっと黙れ




 《END》



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 
 ということで♪
 今年のクリスマスは新婚のイリコトを創作してみました。
 原作ではすっぽりと抜けている所なのでいろいろと妄想し甲斐のあるところですが、きっと入江くんのことだから仕事優先で琴子ちゃんは二の次なんて事にしかねないのでここくらいはママの協力を貰って2人で過ごして貰いたいなと思いました。
 
 途中、お目汚しのイラストがありましたがそこは笑って受け流して下さい。


 毎年の如く、この時期はバタバタしてしまって創作に関しては今回が最後となります。
 ですが明日はクリスマスのイラストを更新していきたいと思いますので良かったら遊びに来て下さいね(*^_^*)

 
 今年も皆様にたくさんの元気を頂きながら創作活動が出来ました。
 本当に感謝でいっぱいです♪
 2014年もマイペースでやっていきますのでよろしくお願いします♪

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Re:たまちさま。

こんにちは☆

コメントありがとうございます♪

たまちさんも素敵なクリスマスを過ごしましたでしょうか??

とっても楽しんで頂けて興奮冷めやらぬといったコメントに私も頬が緩んでしまいました(*^_^*)
直樹と紀子ママも言っていることはとても大事なことですけど、考え1つで優先順位が変わってしまうという・・・。入江くんも気にしていない訳じゃないんですけどねぇ・・・。やっぱりそこには琴子ちゃんだったら分かってくれるという甘えがあるのかななんて思います。
そして新婚恒例私がプレゼント♪
ありきたりなネタではあるのですがまだ書いたことのないお話だったので採用させていただきました(^_^)
自分の首に巻き付ける時点で何か感づくだろうっ!と思うんですけどねー。まったく気付かないのが琴子ちゃんの良いところと言うことで(^_^)

それから栞、娘さんと争奪だなんて!!光栄ですーーー。ありがとうございます♪
図書館戦争、何度読んでも楽しいですよねー。
この冬休み、子供の宿題に親子読書なる超面倒くさいものがあるので図書館戦争で書いてやろうかと思ってます。
たまちさんも充実した年末年始をお過ごし下さいね♪

emaさま。

こんにちは☆

拍手コメントありがとうございます♪

本当ならばイラスト記事にてお返事を書かせて頂きますが、年末で下げてしまう記事なのでこちらに書かせて頂きます。

よくよく見るどこかおかしい構図のイラストばかりなんですが、喜んで頂けて嬉しかったです♪
年末までですがどうぞお持ち帰り下さいね♪

それと、今日私信させて頂いた件ですが、本当にご心配おかけしました。
これまでemaさんには本当にお世話になりっぱなしなのに恩を仇で返してしまいましたよね(>_<)
こんな私ですが、これからも交流させてくださいねm(_ _)m

emaさんが彩色したぬりえも是非見たいです!
お時間のあるときに挑戦してみてください♪

これから新年を迎えるにあたって忙しくなりますが体調を崩さないようにご自愛下さいね♪
良いお年をお迎え下さいm(_ _)m

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Re: Akira さま。

こんにちは☆
初めまして♪コメントありがとうございます♪

たくさんの二次サイトがあるなか遊びに来て下さってありがとうございます♪
パスワードの答えについてはヒントを含めお断りさせておりますが、2011年7月にパスについての記事を書かせて貰っています。
サイドバーの月間アーカイブより辿っていって貰えるといいかなと思います。
パスの記事ですが、そんな大した物ではないので開けてビックリしないで下さいね(^_^;)
それでも楽しいと仰って貰えたら嬉しいです。
これからもよろしくお願いします(*^_^*)
プロフィール

narack

Author:narack
☆いらっしゃいませ☆
 こちらは「イタズラなkiss」の二次創作と管理人の好きな物etcをつぶやくblogです。

 イタズラなkissに関しましては管理人の勝手な想像、妄想によるものですので二次世界が苦手な方はご遠慮ください。
 また、作者様、出版社様、その他関係者様とは一切関係ありません。

 管理人の創作で少しでも笑顔になれたら嬉しいです。
 皆様がHAPPYになりますように。

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