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『苦難の中の力』 



入江くんがやっと琴子ちゃんと思いが通じた日の夜のお話。
廊下でぎゅーしてからのその後的な感じで(^_^)

本当は11月に更新するために書いたんですが、今何も更新する記事がないので前倒しでUPします。
9月から琴子ちゃんの誕生日をすっ飛ばすわ更新するお話はちっとも書けていないわでホント申し訳ないです。

今回のお話も幸せのようで幸せでないような・・・ちょっと複雑なお話です。
どんなお話でも受け止められる方のみお入り下さい。




・・・・・・・・・・・・・・









 大学で会った石川と小森から琴子が金之助にプロポーズされたと聞いて奥深くにしまっておいた箱が壊れ一気に何かが溢れた。
 その瞬間、その何かがどういうモノかすぐに理解した。
 
 どんなこともすぐに判断をしないで一度しっかり考えて行動するのが鉄則のおれが思うがままに行動に移してしまったのはコレが初めてだったと思う。




 ―――――――『アホか貴様!おまえは脊髄でモノを考えるのどうにかしろ!案件は脳まで持っていけ!!』




 いつだか読んだ小説のとある登場人物の台詞が頭をよぎる。
 読んでいた時は考えもせずにいきなり行動に移してしまう女の主人公の気持ちが分からなかった。どっちかというとその主人公の上司の男に同情を覚えていた。
 でも今はその主人公の女の気持ちが分からなくもない。

 何かを守らなければならない時、それがどんな策を考えても間に合わない時はきっとそれが一番妥当な策なのだろう。
 時と場合によっては考えるよりも先に行動に移した方が良いときもあるのだ。

 
 自覚をした途端に離れていこうとする琴子を捕まえて。
 離れてくれるなと腕に閉じこめた。
 それだけじゃ納得できなかったおれは結婚という形で更に琴子を繋ぎ留めた。

 今、社長代理として背負っている大きなものは変わらず減ることはないが、正体が分からないままのし掛かっていたものがなくなると幾分か心が軽くなった。
 そして、自覚したものをすんなりと言葉にすると温かい感情が全身に広がった。

 
 大好きだよ

 
 そんな言葉がおれの口から出ることになるとは・・・。
 でもその言葉は琴子のためにとっておいたのではないかと言うほどにしっくり来たことにおれは小さく笑った。







 


 「なんだ・・・眠れないのか?」

 「っひゃ!」


 琴子と廊下で別れてどれくらい経っただろうか。
 どれだけ本を読んでもなかなか眠気が襲ってこないのを諦めて水でも飲もうと下に降りる。
 これまでいろんな意味で眠れないことはあったが今日は身体の中が少し興奮している様な気がする。
 じわじわと溢れてくるこの感覚は凄くくすぐったくて心地良い。
 階段を下りる自分の足音が大きく聞こえる程静まりかえった廊下を歩き、薄暗いリビングに入ると小さな影を見つけた。
 琴子だ。
 ぼんやりと見える小さな背中はなんだか頼りなくてあの小さな身体にどれ程の負担があったのかと思うと胸がチリっと痛む。
 
 その小さな背中に声を掛けると、お約束通りの間抜けな声が返ってきた。


 「相変わらずなマヌケ声だな。」

 「な・・・なによ~そんないきなり背後から声掛けられたら驚くに決まってるでしょ~!し・・・しかもこんな深夜に・・・」


 お化けかと思ったじゃん・・・とむっと唇を尖らせてぼやく琴子におれは「悪かった」と素直に謝ると琴子は「別に怒ってなんかないもん・・・」とまた拗ねた様な返事が返ってくる。

 
 琴子が少し身体を動かした瞬間にほわりと何かが香る。
 甘いリンゴのような香り。
 そこで琴子を改めて見てみるとマグカップを手にしているのに気付いた。


 「何か飲んでるのか?」

 「あ、うん。良かったら入江くんも飲む?まだ少し余ってるんだ。」

 「あぁ、頼む。何か飲もうと降りてきた所なんだ。」

 「じゃあ少し待っててね。」

  
 そう言うと、目の前の琴子の影がスッと動いた。

 
 カチッと音を立ててキッチンの照明が点くと少しだけリビングが明るくなった。
 キッチンには自分のために飲み物を淹れてくれる琴子の姿。
 今までそれが当たり前だったはずなのにそれが今は嬉しい気持ちでいっぱいになる。
 それもその筈、一歩でも遅れたら永遠に見ることが出来なかったかも知れないからだ。


 「入江くん、少し冷めちゃったからやっぱり淹れ直すね。折角だからコーヒーにしようか?」

 「いい、琴子が飲んでるもので構わない。」

 「そう?遠慮しなくても・・・。」

 「コーヒーはまた明日淹れてくれよ。それに今飲むと更に眠れなくなりそうだしな。」

 「あ、それもそうだね。」
 

 今は11月の初め。夜にもなるとそれなりに冷えてくる。
 空調が入っていないリビングも何かを羽織らなければ寒いと感じるほどだ。
 きっと琴子は気を利かしてそう言ってくれたに違いないが、おれは今琴子が口にしているものが何か知りたい気持ちが大きかった。そして何かを共有出来るものも。
 ゆっくり近づいてきてどうぞ、差し出されたマグカップを受け取ると部屋に広がっていた香りが強く鼻を刺激する。
 あまり出会ったことない香りに思わず首を傾げた。


 「紅茶?アップルティーか?」

 「ううん、これはカモミールティーだよ。すっごく良い香りでしょ?」

 「カモミール・・・?カミツレ・・・。」

 「カミツレ?そうとも言うの?」

 「カモミールは英名、カミツレは和名。」

 「そうなんだぁ、入江くんって何でも知ってるね。」

 「おまえが知らなさすぎなの。」

 「む・・・」

 
 マグカップを近づけてたきり飲もうとしないおれを見て隣に座った琴子が不安そうな顔で見つめてくる。
 その表情はキッチンの照明を点けたことでさっきよりも良く見えた。


 「あ、もしかしてハーブティー苦手だった?やっぱり違うの淹れてこようか?ココアとか紅茶とか・・・。」

 「いや。」


 立ち上がろうとする琴子を座らせて飲みかけのマグカップを握らせるとおれも一口飲んでみた。
 あまり馴染みのない香りと味が口いっぱいに広がる。決して嫌な味ではない。
 冷めて温いと琴子は言ったがおれには飲みやすい温度になっていて心地良い温度が身体中に染み込んでいくのが分かった。
 ホッと息を吐くと琴子も嬉しそうにマグを傾けた。


 「ホッとするな・・・。」

 「そうだね、カモミールは疲れてたり、あんまり眠れない時に飲むと良いんだって。入江くん、ここのところずっと忙しかったからピッタリかもしれないね。」

 
 良かった役に立てて。と琴子は小さく笑った。

 
 「でも、珍しいな。ハーブティーなんて。」

 「う、うん。・・・あたしもなかなか寝付かないときあった・・・から。」

 「琴・・・」

 「あっ ち、違うの。あたしお馬鹿だから課題とか全然進まなくって気分転換に飲もうとしてただけだからっ」
 
 
 慌てて弁解をしてくる琴子に今度は大きな音を立てて胸が痛む。
 琴子がコレを持っているということは琴子が必要だったから。
 琴子の気持ちを知りながら婚約をしたおれを琴子はいつも笑いつつも苦しそうにしていた。
 わざと暴言を吐いたこともある。
 行動で苦しめたこともある。
 時には泣きながら反論してきたがそれでも口論ではおれが有利でいつもそれをたたみ掛けて押さえつけてきた。
 そんな時、きっと琴子はコレを飲んできたのかもしれない。 
 この甘い香りに包まれて1人で泣いて耐えていたのかもしれない。

 そう思うとさっきおれが口にした言葉は琴子にとって酷いモノだったはずだ。



 眠れないほど、追いつめておいて、何がホッとするだ。



 自分で自分を殴り倒したくなった。
 もっとおれのことを責めてくれたら良いのに琴子はそれをせず、常におれを想ってくれる。
 それはどんな状況になっても変わらなかった。



 
 

 「琴子。」


 おれは自分のと琴子のマグカップをテーブルに載せると琴子を力いっぱい抱きしめた。
 

 「ごめん・・・」


 いっぱい泣かせて、いっぱい苦しめて、いっぱい我慢させて。
 いっぱい不安にさせて。


 「ごめんな・・・琴子。」


 琴子の肩に顔を埋めるように抱き込みおれは謝ることしか出来なかった。


 「入江くん・・・?」

 「なぁ、もしおれが今日お前を迎えに行かなかったら・・・何もせずにいたら・・・本当に金之助と・・・」


 結婚していたのか?
 その台詞は声に出したくなくて透明な声に出して言い消しながら尋ねると腕の中の琴子の頭が小さく左右に動いた。今、こんな事を琴子に聞く事ではないと思いながらもおれはどうしても知りたいと思ったおれは本当に馬鹿だ。


 「最初は・・・それが、金ちゃんと結婚するのが一番良いって思っていたんだけど、やっぱりダメだった。」


 苦しそうに身を捩る琴子に少しだけ余裕を与えてやる。
 すると細い腕がおれの背中にきゅっと回された。そしてパジャマを力いっぱい掴んでくる。


 「だから・・・入江くんのとびっきりカッコイイ写真をおばさんから貰って、1人で生きていこうって思った。」

 ―――――実は一人暮らしをしようと思って、部屋も探していたんだよ?
   死ぬまでただひとりの人の幸せを願いながら想い貫いて生きてくのもカッコイイと思わない?

 
 琴子はそう言って笑った。


 「きっと金ちゃんはあたしが入江くんを忘れられないって言っても結婚しようって言ってくれたと思う。でもそんなの金ちゃんに申し分けなさすぎる。もし将来金ちゃんの事を大好きって言ってくれる人が出てきたらそれこそ大変だもん。」

 ―――――金ちゃんもいつか現れる運命の人と幸せになって貰いたい。だって金ちゃんは大事な友達なの。

 「沙穂子さんから入江くんをとっちゃったあたしが言う言葉じゃないけど・・・。」


 そう言うと琴子は小さく震え始めた。
 その震えはだんだんと大きくなり、暫くすると嗚咽まで聞こえ始める。


 「琴子?」

 「どうしよう・・・沙穂子さんに酷いことしちゃった・・・!入江くんの運命の人は沙穂子さんなのに・・・あたし・・・あたし入江くんの運命の人と・・・引き離しちゃ・・・」
  
  
 琴子の声色が変わる。


 「ごめ・・・あたし、結局自分の幸せばっかり考えちゃって入江くんも沙穂子さんの気持ちも何にも考えてなかった!!」

 「琴子!!」

 「あたし、あたしと一緒になっても入江くんが幸せになるとも限らないし・・・会社だってっパンダイだって全然救われな・・・」

 「落ち着けっ」


 慌てて琴子を腕の中から解放して覗き込むと琴子は青白く涙でぐしゃぐしゃだった。
 さっきまでの嬉しそうな顔を隠し、ただおれと沙穂子さんに対しての謝罪を口にていた。


 「だって!今まであたし入江くんの役に立てた事なんて1回もないんだもんっ!迷惑かけて、怪我させて、嫌な思いもいっぱいさせたもんっ!!」

 「・・・。」

 
 ここまで苦しめたのはどこのどいつだ。
 いっそのこと息が出来なくなるまでおれを力いっぱい殴ってくれ。
 きっと深夜という時間帯を気しているという配慮なんて今の琴子には出来ないだろう。
 今までそうやって泣いてきたのか、声を必死に殺し耐えるように泣く琴子をおれはただ抱きしめることしかできなかった。















 これまでこんなにも取り乱した琴子は見たことがなかった。
 どちらかといえば涙を流しながら歯を食いしばって耐えるようなそんな印象がある。

 同居がばれて小森達にバラされたときやおれがT大受験を蹴ったとき、おれと松本が付き合っていると勘違いしたときや今回の婚約に関しても琴子は泣きながらもここまで感情を出したことはなかったのではないだろうか。
 
 いや、違う。
 おれは琴子のこういう姿に気づけなかったんだ。気づこうともしなかったんだ。
 






 

 

 おれには誰かを好きになる感情なんて持ち合わせていない。
 今回の結婚だって会社を建て直すための手段の1つであって、結婚に愛情は含まれていなかった。
 沙穂子さんに対しても愛情を交わせるパートナーではなく会社を立て直す為の仕事のパートナーという位置づけに過ぎなかった。
 だから結婚してもこの家に帰れば琴子が出迎えてくれてコーヒー淹れ、今日あった出来事をむりやり聞かされて賑やかに過ごしていく。そんな感覚がおれの中にあったんだ。
 おれが結婚をしても琴子はずっとここにいる。
 なんて勝手な勘違いなのだろう。



 「琴子。」


 おれは酷く混乱している琴子を抱きしめ続ける。
 落ち着かせるために震える背中をゆっくりさすった。酸欠状態だったのか大きく揺れる肩が治まるのを見届けてから膝の上に抱え直しもう一度きつく抱きしめた。


 「琴子は何にも悪くない。馬鹿で我が儘で何にも分かってなかったおれが悪い。沙穂子さんに対しても琴子は何も悪いことなんかしていない。」


 おれの肩口に顔を乗せて、ゆっくり髪を梳いてやるとふっと全身の力を抜いて琴子がおれに身体を預けてくれた。遠慮がちにおれのパジャマを握ってくれるその手も何もかもが嬉しく愛しい気持ちが溢れてくる。
 

 「おれな、今まで何回も沙穂子さんと出掛けていったけど、おれから出掛ける約束をしたことも、こうやって触れたこともないんだ。」


 婚約してたのにおかしいだろう?
 そういうと琴子は不思議そうな顔を寄こしてきた。


 「何処かへ行こうと誘ってきたのも沙穂子さんだったし、腕を絡ませて来たのも沙穂子さんからで、おれからそうしようと思ったことは一度もない。婚約者だから誘われれば了承するし腕もかしてたけど今みたいな気持ちには全然なれなかった。」

 「・・・気持ち・・・」

 「そう。おまえが近くにいるとすごく暖かいんだ。五月蠅いし迷惑もかけられて勘弁してくれって何度も思ったけどこんな気持ちになるのは琴子だから。沙穂子さんといるときはこんな感情は欠片も出てこなかった。それに・・・こんな事ありえないけど、おれは・・・琴子がそばにいてくれるから婚約も出来たんだろう。」

 「・・・は?」


 言ってる意味がわかりません。
 と琴子の顔に大きく現れた。
 口に出さなくても分かってしまう豊か過ぎる表情におれはただ笑うしかなかった。


 「おれの近くには琴子がいることが当たり前で、結婚してもずっと一緒にいられると思いこんでいたんだ。」

 「そ、そんなわけっ」

 「そうだ。そんなことありえないんだ。だけど、おれの中では琴子がそういう存在になってたってこと。いつも一緒にいられる家族と一緒。おれはこれがずっと続くと思いこんでたしそうあるべきだと思ってた。そんな琴子はおれにとって運命の人だよ。だから沙穂子さんはおれの運命の人ではない。」

 琴子にとっておれが運命の人であるかはおれには分からないけどな。
 そう笑うと琴子はそんなことないと首を振った。


 「あたし・・・あたしでいいの?あたしが・・・入江くんの運命の人?沙穂子さん・・・じゃないの?」

 「おまえな・・・」


 何処まで言ったら琴子は信用してくれるだろうか。納得してくれるだろうか。
 今ほど過去にしてきた琴子への暴挙を後悔したことはないかも・・・とがっくりと項垂れてしまった。


 「もし・・・おれがこのまま沙穂子さんと結婚するとする。」

 「・・・え?」


 おれの言葉に琴子がビクッと肩を揺らした。


 「例えばだっ!100歩、いや10000歩譲っての例え話だ!誤解するなよ?!」


 琴子の目をじっと見つめ、信じろと念を送ると黙ったままコクンと頷いてくれた。


 「おれは琴子のことが好きで、沙穂子さんを好きじゃないまま結婚して沙穂子さんは幸せになれると思うか?」

 「え?」

 「おれは興味のない人にこうやって触ったり抱きしめたりする趣味はない。」

 「・・・興味って・・・しゅ、趣味?!」

 「おまえが金之助に対して思うようにおれだって沙穂子さんには運命の人に出会って幸せになって貰いたいと思う。でも沙穂子さんの運命の人はおれじゃない。」

 「でも沙穂子さんは入江くんのとこ・・・」

 「そうだな。確かに好意は寄せてくれてはいるがきっと結婚しても一方通行のままだ。おれは沙穂子さんに対してそういう気持ちはないからな。」

 「でも・・・入江くんも沙穂子さんのこと・・・。」

 「・・・あの時はこんな感情が自分にあるなんて思っていなかったから、好きっていう気持ちはそう思いこめばなんとかなるって決めつけてたんだ。でも違うんだな。好きっていう気持ちは作るもんじゃなくて自然に溢れてくるもんなんだな。こんな気持ちを教えてくれたのは琴子だよ。琴子がいてくれたから気づけたんだ。」

 「い、入江く・・・っ」


 恥ずかしげもなく良くそんなこと言えるなって過去のおれだったら呆れてしまうだろう。
 でも今は気持ちから直結してどんどん溢れてきた。
 信じてくれと琴子の身体をゆっくりさすりながら伝えると、琴子は零れんばかりの目を一気に潤ませ、大粒の涙を零した。

 
 「明日、正直に話してくる。沙穂子さんに。そして婚約を解消して貰ってくるから・・・。」

 おれをもう一度信じて待っていてくれないか?


 親指の腹でゆっくり涙を拭い、額をコツンと合わせる。
 両手を琴子の頬にやれば涙で濡れた冷たい頬が少しずつ熱を取り戻していった。
 僅かに上下した琴子の頭に視線を送れば上気した潤んだ目とぶつかった。
 その瞳と表情はとても柔らかくはにかんでいて多少なりとも緊張していたらしいおれの身体から一気に余分な力が抜けた。


 ありがとう、琴子。


 その思いをこめて小さな唇をゆっくりと塞いだ。




 


 「なぁ、琴子。」

 「ん?」


 2人並んでソファに座り、すっかり冷めてしまったカモミールティを飲む。 
 ちっとも熱くないのに、マグを両手で支え、時々湯気を切るかのように吹きかける琴子を見ておれはおかしくて笑ってしまった。
 自分でその行動に気付いた琴子は「もうっ」と照れ隠しのように怒る姿が可愛くて更に笑いが込み上げる。
 このままだと更に不機嫌にさせてしまうかも知れないので1つ咳払いで紛らわし、でも「ゴメン」と謝ってみた。


 「今更な話を聞くんだが、たくさんあるハーブティ中でカモミールを選んだのはどうしてだ?」


 馬鹿にしてるって怒られるかもしれないがもっと有名なハーブティーがある中でどうしてカモミールを選んだのかと疑問に思ったのだ。
 すると琴子は何も言わず立ち上がりキッチンへ歩いていき、何かを持って戻ってきた。


 「ハーブの効果とかはお店に一覧が貼ってあったからそれを見て考えていたんだけど一番の理由はこのお茶の箱に凄く惹かれちゃったからかな。」


 そう言うとおれにカモミールティの箱を差し出してきた。
 
  
 「あたし、この箱のお花が凄く力強くて元気を貰った気がしたの。太陽に向かって一生懸命咲いているこの花は向日葵みたいに力強くって凄いなって。」


  
 箱には薄暗い中でも分かってしまうほどの真っ青な青空の下で咲き誇っている一面のカモミール。
 太陽の下で力いっぱい咲いている白く小さな花たちはとても力強かった。


 「そうか。」

 「うん。このお茶を買ったお陰であたしも元気を貰って入江くんもホッと出来て一石二鳥?いや三鳥?四鳥?」

 「そこまでは言い過ぎだろうが。」

 「そんなことないよっ」


 溜め息混じりに返すと目をキラキラさせた琴子が拳を作って力説をする。
 

 「でもまぁ、それも間違ってもないかもな。琴子は、カモミールの花言葉って知ってるか?」

 「花言葉?」

 「そう。」


 それはな・・・と琴子に小さく耳打ちをする。
 すると琴子はとても嬉しそうに笑った。


 「凄いね!入江くん!本当にこのカモミールに支えて貰ってるみたい!あたしも、あたしも頑張らなきゃ、あたしも明日金ちゃんに話してくる。そしてちゃんと謝ってくる。」

 「あぁ。おれも分かって貰えるまで頑張るから。」
 
  

 


 カモミールの花言葉



 
   『苦難の中の力』




 
 琴子、これからもいろんな事があると思う。けど、一緒に乗り越えていこうな。





 《END》





・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
 




 ということで・・・


 如何でしたでしょうか・・・(ド緊張(>_<))

 甘いお話にさせるぞっっと頑張ってみたんですが気付いたらこんなお話に・・・。

 あの雨の中で漸く両思いになれたのは琴子ちゃんにとって死ぬほど嬉しくてたまらなかったと思うんです。
 もうのぼせちゃうほどに。
 でも、優しい琴子ちゃんのことですから、自分が入江くんと結ばれたからそれでおしまい!では絶対済まないと思ったんです。
 原作に「いろんな人を傷つけちゃった」とあったようにきっと心の中で新たな葛藤があったのではないかと考えたらこんな感じに仕上がってしまいました。

  こんなんじゃないって思った方はいると思うんですが気分を害してしまったら申し訳ないです。
  ごめんなさいm(_ _)m



 そしてっ!
 お話の初めにあったある小説の台詞にピンと来た方!
 そうです、今私がぎゃーぎゃー言ってるあの作品です。
 カミツレの花言葉もイリコトにも通じることだと思って今回使用させていただきました。
 
 共通点多すぎですって!!
 萌えポイントがっっ!!
 入江くんの「ったく・・・」&デコピンも堂上教官の「アホか貴様!」&ゲンコツもこれでもか!!というくらいの深い愛が含まれております♪
 
 

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Re: 紀子ママさま。

こんにちは☆

お久しぶりです(^_^)お元気でしたか??
コメントありがとうございます♪

琴子ちゃんの性格だったら告白されて強引な展開だったとはいえすんなり納得して結婚!なんて出来るのかな?ってずっと思っていたんです。
自分のことよりも周りの人を大事に思う琴子ちゃんですからきっと幸せな気持ちに浸りきれずに悩むことも多かったのではないかと考えたらこういうお話が出来ました。
相変わらず入江くんは素直すぎるし別人ではありますが、琴子ちゃんのこういう優しさをしっかり分かって欲しいなっていう思いもありました。
そう思うと入江くんは本当に素敵な女の子と巡り逢えたなって思います。

そんな私の気持ちと願いが入った創作話に対して広い心で受け止めてくださった紀子ママさん(*^_^*)紀子ママさんの鋭い読解力にはいつも救われております♪
本当にありがとうございますm(_ _)m

Re:てるてる坊主さま。

こんにちは☆

コメントありがとうございます♪

こちらこそいつも遊びに来て下さりありがとうございます♪
私の拙い話にそんな風に思っていただけるなんてもう・・・(>_<)ただただありがとうございます!!

どこまでも優しい琴子ちゃんに入江くんも改めて惚れ直したんじゃないか、いや寧ろ惚れ直せよ!!ぐらいの勢いで書かせていただきました(^_^)
ここの場面は本当に素敵なシーンばかりですが、読んでいて考えさせられることも多くて(^_^;)
私なりの解釈ですが隙間の様なお話を書くことができて私も楽しかったです(^_^)

Re: YKママさま。

こんにちは☆

コメントありがとうございます♪

わぁ♪
流石YKママさん!気付いて下さってありがとうございます!!
好きすぎて無理矢理ねじ込ませていただきました(笑)もう、どじょさん大好きすぎる(>▽<)!まえぬもたっつんも好きだ(笑)
ってそれは置いといて(^_^;)
YKママさんも同じ気持ちを持っていらっしゃったんですね。そして頂いたコメントを読ませていただいてそうだよね!!っと頷いてました。
琴子ちゃんがとても苦しい思いをしている中、入江くんもまだまだ学ぶべき事が多い年頃に抱えきれない程の重圧を背負ってしまったことは本当に辛く苦しいことだったはず。琴子ちゃんはいち早くそれを理解して支えようと頑張っていて・・・
おいっ!大人はなにやってんだ!!
と突っ込まずにはいられない(笑)
いろんな事が重なりすぎて思いが通じるまでに遠回りはしましたがその分、幸せになって欲しいって心から思います。

そんな願いが読み手の方々に少しでも伝わっていたら本当に私も嬉しいです(*^_^*)

たまちさま。

 こんにちは☆

 コメントありがとうございます♪

 うふふ♪
 やっちゃいました(≧m≦)♪
 イタキス二次にどじょさん登場(笑)
 もう私、教官の「アホか貴様!!」大好きなんで♪(ゲンコツや腕ひしぎは勘弁だけど)郁ちゃんと琴子ちゃんも何かと共通点多すぎて「これは挟まずにはいられない!!」って感じで書かせていただきました(笑)

 確かに入江くんもすごく悩んで苦しんでいました。
 もっと周りの大人がしっかりしていたら入江くんだってこんな思いをしないで済んだんだと思ったり、入江くんは自分というものを凄く軽く考えていてその考えが周りにどれだけ影響していくかそこまでは解りきっていなかったのでは?と思います。
 人間関係のなかでも対琴子ちゃんに関しては学習能力ゼロな入江くんで、ここから先もいろいろやらかす2人ですがその中でどんどん固い絆を結んでいく事を願って♪私も応援していきたいです(^_^)

 こちらこそイタキスだけでない萌えをたまちさんと共有できて嬉しいです♪これからもよろしくお願いしますm(_ _)m

よしピーさま。

こんにちは☆

拍手コメントありがとうございます♪

よしピーさんは映画館で革命のつばさをご覧になったんですねー!
いいなー(*^_^*)
大きなスクリーンで見ると萌え度も相当なものだったと思います!萌えポイントありすぎて心臓に悪いです、この映画はっ(>_<)
もっと早く出会いたかった~(>_<)と思うこの頃ですが、あまりにも嵌りすぎてこんな所でコラボさせてしまいました。
でもよく考えたら図書戦キャラ達、現代に置き換えたら平成生まればっかじゃん!!
え?教官方、年下っすか?ってちょっとちょっと!って歳バレますね・・・すみません(^_^;)
イタキスも図書戦も好きな方に楽しんでいただけるととっても嬉しいです(*^_^*)
カモミールティー、飲みましょ飲みましょ~(*^_^*)

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私も大好きです〜(つД`)ノ
教官萌えです!そっちは書いてないですか?笑
勿論!イリコトも大好きですよ!

Re: かりかりさま。

こんにちは☆

コメントありがとうございます♪
お返事が遅くなってしまい申し訳ありません。
かりかりさんも教官萌えですか(≧▽≦)革命のつばさのラスト教官、やばくないですか?(勿論イイ意味で!)
あの大人の余裕と言うのでしょうか・・・格好良かった♪
図書戦二次は残念ながらやってません(^_^;)なんだか良化法やら図書隊やら図書館宣言やら難しくて読み専ですよ(^^)一応このブログの何処かに堂上さんのラクガキがありますので良かったら探してみてください(^^)
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 こちらは「イタズラなkiss」の二次創作と管理人の好きな物etcをつぶやくblogです。

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 また、作者様、出版社様、その他関係者様とは一切関係ありません。

 管理人の創作で少しでも笑顔になれたら嬉しいです。
 皆様がHAPPYになりますように。

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