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Strawberry shortcake -1-

タイトルは美味しそうですがお話の中身は真逆かもしれません(^_^;)

やっぱり琴子ちゃんは入江くんの一番の理解者でいてほしいと改めて思ったら浮かんできたお話です。
入江くんが珍しく入江くんらしくないです。

心広く受け止めてくださる方はお付き合い下さい(^_^)


入江くんの観察日記を期待してくださっていたらごめんなさい(>_<)





・・・・・・・・・・・・・・・






 「何でも出来て悩みのない奴はお気楽でいいよなーーー。」


 何気ない会話の中でクラスメイトがおれに向けた台詞。ガヤガヤと騒がしい教室の中にいるのにその台詞がやけに大きく聞こえたのはきっとおれだけだろう。
 その台詞にはおれに対する悪意や嫉妬はない。受験生という身でこれから味わう様々な苦労を想像した時、常に上位にいるおれが羨ましいと思ったからだと思う。
 現に言った本人はあっけらかんとしていておれに笑顔を向けている。
 その表情に裏はない・・・と判断もできる。

 でもその言葉はおれの身体から出て行くことはない。
 それは大きな黒い塊に変化をして身体の中を通過していく。
 そして行き着くところは誰も知らない、知られてはいけない身体の最奥の地に置かれている箱の中。
 その箱は何重にも鍵が掛けられていて中には黒くて重い澱みがが入っている。
 1つ1つ鍵を開けて、たった今落ちてきた黒い澱みを押し込むと溢れないように蓋をしてまた1つ1つ鍵を掛けていく。
 そしてそれを今までよりももっともっと奥の方に、おれもその存在を忘れてしまうような所へ押し込んだ。


 そこそこ有名な会社の子供で、努力しなくても身につけられる頭脳と運動神経が備わっていて。
 何不自由ない生活をしているおれは確かに恵まれていると思う。有り難いとも思う。

 けれど、それが幸せで悩みがなくて気楽な生き方とは結びつかない。

 だってそうだろ?
 何でも不自由なくこなせることが幸せというのなら身体の中にあんな箱を沈める必要なんかない。
 刺激されてカタカタと動く度に必死に制止する自分は要らないはずだ。


 「代われるもんなら代わってやるよ。」


 おれがそう言うと「ホントだよ、今すぐ代わってくれよー。」と笑いながらクラスメイトは言った。

 本当、代わって貰いたい
 でもな、これはおれだから耐えていられるんだぜ?
 きっとお前がおれになったら一瞬で飲み込まれるだろう。
 カタカタと暴れる箱の中が開いてしまったらお前は一瞬で消えてなくなる――――







 昼休み、渡辺と図書室から戻る途中、前方から聞き慣れた声が聞こえた。
 周りの迷惑を省みず自分たちが思うがままにはしゃぐ耳障りな声。
 鬱陶しいと思う気持ちを乗せて先へ視線を送ると前から歩いてくる大きな目とぶつかった。

 
 「あ!入江くんだっ 図書室行ってきたの?渡辺さん、こんにちは。」

 「こんにちは琴子ちゃん。何かとても楽しそうだね。」

 「だって理美ったらすっごくおかしいんだもん~」
 
 「ちょっと!琴子!!」


 渡辺も混ざって繰り広げられるやりとり。
 何気ない挨拶から始まった会話はとても自然だ。
 おれはその会話に入ることなくただ見つめるだけ。その輪に入ったところで楽しいとは思わないし余計な気を遣うだけだ。するとまたあの箱の蓋が音を立て始める。
 しっかりと締めた筈なのに小さな隙間からコポっと溢れたような気がしておれは思わず眉間に皺が寄った。

 
 「行くぞ、渡辺。」

 「あぁ、またね琴子ちゃん。」

  
 つまらない。
 早くこの場から離れたいおれは盛り上がっている琴子と渡辺に割り込むように声を掛けて歩き出した。
 律儀に挨拶する渡辺は本当に付き合いがいい。
 渡辺もおれに合わせることなく会話していればいいのに、必ずと言っていいほどおれに合わせてくれる。それは出会った時からずっとそう。
 初めのうちは「何があった?」と聞いてきたが「別に」としか言わないからかいつの間にか聞いてこなくなった。
 おれに対して言いたいことが沢山あると思うが何も聞いてこない渡辺の気持ちが有り難い。だからこそおれは渡辺と長く一緒にいることが出来るのかもしれない。
 

 「い、入江くんっ」


 そんなことを考えていると。琴子がおれを呼び止めた。
 その声に反応してまた、コポ・・・っと箱の中から零れる。
 
 
 キヅクナ。ミルナ。

 
 「何?」


 一呼吸置き、いつものように「学校で話しかけてくるなと言ってるだろう」と台詞を付け加えて後ろを振り返る。
 そこには「どうしたの?」と首を傾げている渡辺、小森、石川とただ、何も言わずじっと見つめてくる琴子がいた。
 大きな、零れんばかりの瞳。
 その瞳はおれの中を見透かす威力を持っている。


 「おい、用もねぇのに呼び止めるんじゃねぇよ。おまえと違って忙しいんだ。」

 「あ・・・うん・・・ご、ごめん。」


 琴子はそれ以上何も言わなかった。
 おれも何も言わなかった。
 でも何も言わなかったが琴子は気付いてしまったかもしれない。
 純粋で真っ直ぐ見つめてくるあの瞳。

 おれは、あの瞳が苦手だ。
 




 それからいつものように授業を受けて、放課後は図書室ではなくてテニス部へ向かう。
 自由に参加できるこの場所はストレスを発散できる貴重な場所。
 真面目に参加している奴にはおれの参加理由は不純かもしれないけれど黄色いボールに向かって力いっぱい振り落とすこの感覚は心に陰っている澱みを薄めてくれる。
 イライラ、もんもん。
 こんな感情要らない。
 相手になってくれた奴には悪いが試合が終わる頃には少しだけ身体がスッキリしていた。






 ※  ※  ※






 「何?」


 部屋のドアがノックされておれは短く返事を返した後、廊下に立っている人物を見て開けたことを後悔した。
 
 分かっていたはずなのにすっかり忘れていた。
 テニスをして少し気が晴れたと思っていたのに、琴子の顔を見た途端に澱みが逆流してきた気がする。
 琴子は学校が終わってもずっとおれの近くにいるのだ。接触したくないと思っていても1日のうちに必ず顔を合わせてしまんだ。
 思わず眉間に皺を寄せ、見下ろすおれに対し琴子は笑顔で向き合ってくる。


 「あのね、コーヒー淹れたんだけどどうかなって。入江くん部活行って来たでしょ?今日は暑かったし喉乾いてるかなと思って。」


 その言葉の通り、琴子が持っているトレイにはしっかりと冷えているアイスコーヒーと白い箱が載っていた。
 カラン、と音を立てたグラスの中のコーヒーは美味そうだったが、その隣にある白い箱は何が入っているのか簡単に予想できてしまう。


 「あの、あたしが勝手にしたことだから、無理なら別に飲まなくても・・・」

 「いいよ。貰う。おまえの言うとおり部活してきたから喉乾いてるし。」

 「ほんと??良かったぁ!」


 何も言わないおれが怒っていると思ったのか、不安げな表情をしていた琴子がおれの一言で安堵の顔を見せた。
 おれのひたった一言でこんなに表情を変えるコイツは本当に面白い。そう思ったら可笑しくなった。


 「じゃあ、はいどうぞ。お部屋でゆっくり飲んでね。」

 「おまえは?」

 「え?」


 必要以上に絡んでこず、トレイを渡してすぐに帰ろうとする琴子におれは考えるより先に声を掛けた。
 なにしてんだよ、おれは。
 そう思いながら口から出てくる言葉は違うもの。


 「おまえの分のコーヒーはないの?」

 「え・・・あたし?」

 「せっかくここまで持ってきて貰って悪いけど、リビングで飲むわ。わざわざ片付けに降りるのもメンドーだしな。コーヒー、おまえの分くらい余ってるだろ?」

 「・・・うん。」


 だから一緒に飲めば?とまでは言わなかったが、おれの意図が分かったのか階段を下りる少し後からぺたりぺたりとペンギンの様な足音が続いた。






・・・・・・・・・・・・・


 後半へ続く・・・。

 ちっとも面白くありませんが、それはいつものことなので(^_^;)
 でも最後までお付き合いくださると嬉しいです!頑張れます!


 余談ですが今日はGACKTさんの40歳のお誕生日♪
 いつまでも変わらずお美しいガク兄様のお誕生日が素晴らしい日となりますように(*^_^*)
 毎年素敵な贈り物をありがとう♪今年も素敵な贈り物を堪能させていただきまーす♪
  

  

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Re:たまちさま。

こんにちは☆

コメントありがとうございます♪
そして、先日の私の呟きにも拍手コメントありがとうございます♪
併せてこちらからお返事させていただくことをお許し下さいm(_ _)m

今回のお話はもうずっと頭の中にあって、なかなか形にならなくてずっと考えていました。
他人からは羨ましがられる入江くんですが、入江くんにだって悩みだって試練だってあるはずで。
常に感情を出すことはしないですが入江くんも大変ですよね。
琴子ちゃん、愛の力で救えるか?!ってそんな煽っても自分で首絞めるだけなんですけどね・・・(^_^;)

あと、たまちさんはバド経験者なんですね!
私はレジャーで遊ぶくらいのレベルから始めたので、初めは全身筋肉痛で包丁が持てない程でした(>_<)
あと痩せまではしないですが肘から手首までの筋肉がもりっとなりました(^_^;)
私が始めたことで子供も興味を持ち始めてくれたので、クラブとかに入れてもいいかなと思ってます(*^_^*)
好きなモノを見つけられたことは良いことなので伸ばしてあげたいと思っています。

お話の続きは今日漸くおおむね書き終えたので修正後、更新します(^_^)
いつもありがとうございますm(_ _)m

アラカンおばばさま。

こんにちは☆

拍手コメントありがとうございます♪

あはは、健全なイリコト(笑)
日頃、おかしなお話しか作ってないのバレバレじゃないですか~(^_^;)
でもその通りなので全然OKです♪
寧ろ、把握してくださっていて嬉しいくらいです(*^_^*)

入江くんだって傷つきますよね?落ち込むこともありますよね??
ということで、最後までお付き合い下さると嬉しいです♪
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