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『絶え間なく降る』 

 『イタkiss梅雨祭り2012』 第2弾です。









 ソウさんのお題をお借りしております(^_^)
 
 そしてこの『絶え間なく降る』と次作『このままずっと止まない』は前後編として繋がっておりますのでまずは『絶え間なく降る』からお読み下さい。 

 しかし雨のお題は涙を連想してしまって切ないお話になってしまいがちですね。
 ただ私の妄想引き出しが小さいだけなんですけど・・・。

 このお話は琴子ちゃん視点から入江くん視点へ途中変わり、また琴子ちゃん視点へ戻ります。


 そして本来ならば前作のコメントのお返事を書いてから更新しなければならないのですが、今週はもう忙しくてお返事書いてからとなると来週までずるずると伸びてしまいそうだったので先に更新させていただきますm(_ _)m
今日から合間をみては少しずつお返事する予定でおりますのでよろしくお願いいたします。

 皆様の温かいコメントは私の創作意欲の源です(*^_^*)
 なのにこんな情けない運営で申し訳ありませんm(_ _)m


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 






 『絶え間なく降る』
















 今降っている雨はあたしの涙なのかもしれない。

 


 入江くんを好きになった時点で分かってたのに。
 入江くんと共に歩む事を決めたときから誰よりもあたしが一番分かっていることだったのに。


 どうして。
 どうして涙が出るんだろう。
 どうしてこんなに心が痛むのだろう。
 










 『あの人が入江先輩の奥さんだなんてあり得ない~』


 すれ違い様にクスクスと笑いながら吐かれた台詞。
 きっとあたしだけに聞こえるように言おうとしたんだと思うけどその台詞は一緒に歩いていた理美とじん子の耳にも聞こえたらしい。去っていく女の子達にキレたのはあたしじゃなくて理美とじん子だった。

 
 「「なに今のー!!」」


 あたしに代わって怒ってくれる。


 「琴子!!気にしなくて良いからね!!」

 「そうそう!入江くんは誰よりも琴子のこと大事に思ってくれてるんだから!さっきの女は入江くんと琴子のことを何も知らないから分からないからああいうことを平気で言えるのよ!!」


 そして大丈夫だよと一生懸命語りかけてくれる。


 「うん。ありがとう理美、じん子。あたし大丈夫だよ。」


 自分の声がぱたぱたと傘に当たる雨音にかき消されてしまわないようにお腹に力を入れて声に出す。
 心配そうに覗き込んでくれる2人に心配をかけないように、自分にも言い聞かせるようにして。
 表面で笑っている反面ではあたしの身体の奥底でどす黒いものがグルグルとお腹の中で回り出し始め、余計な事を考えないようにしようとすればするほど心拍はどんどん速くなっていく。
 大きく深呼吸をしないとお腹で暴れている何かがもっと暴走してしまうような気がしてゆっくりと空気を身体に取り入れて吐き出した。  
 なんとか理美とじん子に笑顔が戻ってきた頃、あたしの心では大粒の雨が降り始めていた。












 こういう日は何をやっても駄目だ。
 いつもならとっても楽しいお義母さんとのおしゃべりもお互い言いたい放題の裕樹くんとの口喧嘩もしっかりと頭に入ってこない。
 だから「課題がたくさんあるから」と適当な理由を付けて早く寝室に上がってしまった方がいい。
 
 今日は運良く?入江くんも医学部のお友達と飲み会だって言ってたからきっと帰ってくるのも遅いはずだし早くお風呂に入って入江くんが帰ってくる前に眠ってしまおう。心配なんて掛けたくないから。入江くんの負担を増やしたくないから。早く眠って忘れてしまいたい。


 鳥目なのに部屋を真っ暗にして早く眠れるようにと無理矢理目を閉じる。
 静まりかえった部屋で聞こえてくるのは外の雨音。
 屋根を打ち付ける雨粒はきっと大きいものなのだろうと予想できるほどにその雨音は大きい。
 

 「・・・ふ・・・ぅ・・・っく・・・」


 心に降り続けていた雨が一気に溢れ出してその雨は涙となって身体の外へ溢れ出す。
 堰き止めるものは何もないからどんどん外へ流れ出てしまう。



 あたしが入江くんに相応しいなんて思った事なんてない。
 どうして入江くんがあたしを選んでくれたかなんてあたしだって分からない。
 あたしは昔も今も入江くんが大好きで大好きで仕方がないけれどそれが入江くんに釣り合うことにはならないから。
 高校時代からのあたしと入江くんの関係を知っている人ならまだ入江くんがあたしを選んで結婚してくれた事に少しでも納得してくれるのかもしれないけれどそんな事を知らない新入生や外部入学の人たちはきっとあたし達夫婦は不思議でしょうがないんだと思う。
 きっとあたしがその人の立場だったらきっとそう思ってるかもしれない。
 入江くんの奥さんに相応しくなれるように毎日あたしなりに努力しているけれど、きっとその努力は目に見えて現れていない。だからそうやって言われてしまうんだ。

 何もできないあたし。
 
 結婚してくれた入江くんに申し訳ない気持ちになる。
 大好きだけじゃどうにもなんない。
 どうしてあたしっていつもこうなんだろう。

 入江くんに結婚して良かったと心からそう思われたい。

 入江くんとお似合いだねって周りの人から思われたい。
 あたしと入江くんの過去を知らない人からもそうやって思われるような、入江くんに相応しい奥さんになりたいの。
 そう・・・あの時悲しくて苦しくって仕方がなかったけれど、入江くんと沙穂子さんが並んでいる姿はとてもお似合いだったから―――


 今日は外の雨がかき消してくれる。
 だから今日は入江くんが帰ってくる前にいっぱい泣いて全部洗い流して明日、入江くんに笑顔いっぱいで「おはよう」って言うんだ。
 
 絶え間なく降る心の雨はきっとこれからも降り続けていくのだろう。




 夜中、フッと目を覚ますと隣で入江くんが眠っていた。
 いつの間に帰ってきたのかな、時計を見ると一時過ぎていた。
 あたしの方を向いてすぅすぅと寝息を立てている入江くん。


 本当に綺麗な顔。


 お酒のせいかいつもより深い眠りの入江くんの唇にそっと触れると温かい吐息が指に当たる。


 入江くん、本当にあたしと結婚して良かったの?
 何もかもが完璧で美人な沙穂子さんの方がもっと幸せになれたんじゃないのかな。
 あたしがバカでドジでおっちょこちょいだからしなくてもいい苦労をを入江くんにさせていることが忙しい入江くんの負担になっているんじゃないのかな。


 入江くんはとっても厳しい人だけれどそれに関しては何も言わない。
 他のことでは怒ったり呆れた顔をして、でもあたしを見てくれる目はとても優しい。


 止まらない負の感情。
 さっきいっぱい泣いたからもう大丈夫だと想っていたのにまだ駄目みたい。
 ポロポロと涙が止まらない。


 「ごめんなさい、ごめんなさい。入江くん、ごめんなさい。」


 あたしは小さく呟いて大好きな入江くんの胸に顔を埋めた。


 







※  ※  ※  ※





 













 日付が変わる頃に飲み会から帰ると琴子はベッドで眠っていた。顔を見ていないけど少々の物音でも起きないからぐっすりと眠っているのだろう。
 酔いが少しでも覚めるようにシャワーを浴びてベッドに入る前、隣で丸まって寝ている琴子の顔を覗いた。 
 

 あぁ・・・まただ


 目にうっすら涙の跡を残して眠っている琴子。
 たまにこういう事があるんだよな。
 こういう日は大学でもおれに会いに来ることはないし家でも必要以上に話しかけてこない。
 今日、大学で琴子が一度もおれの所に来なかったからもしや・・・なんて思っていたけれど、こういう琴子を見ると飲み会なんかキャンセルして真っ直ぐ帰ってこれば良かったと思う。
 
 悲しげな顔で眠る琴子にキスを一つ。

 何の刺激もないつまらない人生を明るくしてくれた琴子。
 そんな琴子がおれは誰よりも何よりも大切で愛しくて堪らない。

 サラサラと流れる髪を一束すくい、手に巻き付ける。
 触り心地の良い髪をクルクルと指にからみつけながらおれは少しずつ眠りについていった―――












※  ※  ※  ※  ※









 ――――トクン トクン トクン トクン――――



 入江くんの心音。

 規則的に刻まれる音はあたしの心を落ち着かせてくれて涙も止まってくる。


 「琴子?」


 ふいに入江くんの声。
 あたしがもそもそと動いていたから起きちゃったのかもしれない。
 本当はお帰りって言ってあげたいけど涙が止まったばかりの泣き顔を見られたくなくて入江くんのパジャマを掴んだまま入江くんが眠るのをじっと待つ。

 起きてること、泣いていることが入江くんに見つかりませんように。

 そう祈りながら入江くんの寝息が聞こえるのをひたすら待った。


 けれど。


 

 「琴子。」



 酷く優し声。
 あたしはその声に思いっきり反応して思わず顔を上げてしまった。

 バチっと入江くんと目が合う。
 あたしが眠るときは部屋の照明を全部消したはずなのに入江くんが点けてくれたのだろう、小さな照明が点いててうっすらと入江くんの顔が見える。
 すごく優しい入江くんの瞳にあたしの顔はどんな風に映っているのだろう。


 「やっぱり泣いてた。」

 
 入江くんの指があたしの瞼を拭う。
 その瞬間ギリギリで留まっていた最後の涙が入江くんの指を伝っていく。
 

 「やっぱりいつもそうやって泣いてたんだな。」


 気付いてたの?いつから?
 あたし、入江くんに気付かれないようにしてたのに。


 「そんなこと・・・」

 「あるだろ・・・。」


 そう言って入江くんはあたしの髪に顔を埋めてきた。
 今日の入江くんはちょっとお酒臭い。
 そんな入江くんに苦しいくらいに抱きしめられて、泣きすぎてすっかり体温が下がってしまったあたしの身体が入江くんの体温で少しずつ熱を帯びていった。 















・・・・・・・・




 入江くん視点少なすぎ・・・(笑)
 
 二話同時更新ということでこちらのコメントは閉じさせて頂きました。
 
 なにかコメントを頂けるのならば、お手数ですが後編『ずっとこのまま止まない』の方へお願いします。

 本当、我が儘ばかりでごめんなさい(>_<)



 




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