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お花見に行こう。 -3-

 本当は今日、幼稚園のお勉強会だったのですが行かなくても大丈夫になったのでポッカリ空いた時間で1話だけ出来ました~~♪
 予定では週明けになるはずだったので私も早く更新できて嬉しいです(^_^)ってちょいと短いかもで申し訳ないですけれど(>_<)
 だってバドミントンも行きたくって・・・。久々で楽しかったです~♪

 それでは、3話目です(^_^)




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






 ナンパ男が琴子の髪を掴んだまま見上げると真後ろには不機嫌丸出しの直樹が仁王立ちし見下ろしていた。
 その目はとても鋭くて氷のように冷たく背筋に悪寒が走るほどだ。
 ナンパ男は思わず掴んでいた琴子の髪を離してしまう。するとサラサラと髪が流れ落ちていき、直樹はそれすら見逃さないというようにスッと目を細めた。


 「あ、あの、何か?」

 「・・・。」


 無視かよっ!と思わず突っ込みたくなるほど直樹はナンパ男の問いかけに反応しない。
 さっきからこっちを睨み付けてはいるがナンパ男とは全く視線が合わない。それもそのはず直樹が睨み付けているのはナンパ男ではなく泣き続けている琴子なのだから。
 それでもその顔立ちは本当に整っていて同性でも見入ってしまうほどで。
 ナンパ男はその表現通り何とも言えぬオーラを醸し出す直樹を黙って見上げていると漸く整った顔の唇がすっと開いた。


 「・・・おい。」


 たった一言。
 文字にして二文字。

 その短い言葉だけで泣き続けていた琴子がピタリと止まった。 
 ナンパ男がどれだけ宥めて優しく声を掛けていても泣きやまなかったのに、二文字で泣きやませてしまったこの男って・・・だがその瞬間に答えが出た。あぁ、これが『いりえくん』なんだと。

 そして俯いて泣いていた琴子もすっと顔を上げた。
 涙でぼやけた視界に映るのはやっぱり不機嫌丸出しの直樹だった。

 
 「い・・・いりえく・・・?」

 「なにやってんだ!この馬鹿!!」


 容赦ない直樹の怒号が響き渡る。この場に似つかわしくない叫び声に行きかう人たちが思わず振り返ってしまうほど。 
 泣いてる女の子に対して慰めるどころか怒鳴り散らすなんて、あり得ないと思うだろうが、琴子は怒鳴られながらもうっすらと安心しきった顔を浮かべた。


 「入江く・・・?」

 「おまえ、いい歳して迷子とかありえねーだろ。」

 「・・・入江くん?」

 「あ゛?」

 「入江くん・・・なの??」

 「・・・琴子?」


 いつもの琴子なら直樹のどんな小さな声だって聞き逃さないのに今日は会話をしてもイマイチ直樹だと認識できてない。どうしたんだと琴子の様子を確認すると一つの憶測が浮かび上がる。
 
 
 「おまえ・・・酔ってんのか??」


 白い肌がうっすらと赤いのは泣きはらしたせいだとばかり思っていたがどうやらアルコールが原因らしい。
 その証拠に琴子の手には缶チューハイが握りしめられていた。
 なんで琴子が酒なんか・・・。この状況下において琴子自ら酒を買うことはしないだろうし、理美達が頼んだとも思えない。空腹と闘っていたふたりが食い物より酒なんて。第一まだ琴子も理美もじんこも勿論直樹も3月に高校を卒業したばかりの未成年なのだ。

 ―――――と、いうことは。


 「おまえらか・・・琴子に酒を飲ませやがったのは・・・」

 「!!!」


 直樹がやっとこさナンパ男に目を向けたと思ったらそれはそれはもの凄く迫力のある眼光で。
 「人の女に手を出しやがって!」という独占欲からかと思いきやそれは「面倒くさいことしやがって!!」という気持ちが大分込められていた。
 酔っぱらいの琴子を連れて帰るのは結局直樹だ。こんなヘロヘロの琴子を連れて電車に乗って帰らなければならないなんて面倒この上ないのだ。
 けれど直樹の台詞は面倒くさいからという気持ちだけのものには聞こえるはずもなくどこかやっぱり所有物のような誇示が含まれているように感じる。肝心の直樹は全く自覚はないのでハッキリする部分ではないけれど。

 ナンパ男は明らかに年下の男に睨まれて威嚇されて、文句の一つも言いたいのに何も口から出てくることはなかった。というより言えないのだけれど。
 その場の空気を変える手段として琴子に酒を勧めた事は大きな失態だった。
 こんな事なら変に考えずに素直に交番にでも連れて行ったら良かったと心底思う。

 また直樹は直樹で年上のナンパ男に対して遠慮という言葉なんて欠片もなく堂々と向き合っている。
 当の直樹はどうしてこんなにイライラしているのか全く分からなかった。
 自分以外の男が琴子を泣かせているのも気安く栗色の髪を触っていたのも全てがいらついて腹立たしい。


 「汚ねぇ手でコイツに触るな。」


 この世とは思えない地を這うような声に男達はびくんと身体を反応させる。


 「・・・さっさろ消えろ。」

 「ひ・・・し、失礼しましたーーーー!!!」


 一目散に逃げていく男達。
 根性のない奴らだなと思いながら見送ったが去り際に小さく「た、助かった・・・」と呟いていったのをしっかり聞き取った直樹は大きく溜め息を吐いた。
 まぁ、琴子だけの原因でその言葉が出たわけではないけれどきっと酔っぱらった琴子は手に負えなかったのだろう。直樹は走り去っていった男たちに微量な同情をしつつも目の前で呆けている琴子の前にしゃがんだ。
 琴子は呆然と直樹を見つめ、ポロポロと涙を流し続けている。
 まさかこんな所に直樹がいるなんて、と信じられないようだ。

 直樹はいつまでも現実を見ないで妄想に浸っている琴子にいつもの鉄拳をお見舞いした。


 「っっっっったーーーーーい!!!」


 ビシィィィっと素晴らしくいい音を響かせたデコピンに事の成り行きを見ていた人が思わず自分の額に手を当て「うわぁぁ」と呟いた。
 痛みのあまり声にならない叫びとさっきとは違う涙を流す琴子に直樹は平然と言葉を繋げる。


 「覚めたか?」

 「・・・え?・・・」

 「それとも・・・また口塞いで醒ましてやろうか?」

 「・・・え?・・・・・・えぇ??! わぁあぁあぁぁ!!いっ入江くん!!!」

 「・・・やっと正気に戻ったか。」


 鼻と鼻がくっつくくらいに近づいている顔に琴子は今度こそ驚いてずさーーーーーー!!っと後ずさった。
 野生動物のような素早い反応はいつもの琴子の行動でアルコールがある程度抜けた事を証明している。
 それを表すかのように琴子の滑舌がぐんと良くなった。


 「入江くん?!何でここに??」

 「おまえが弁当忘れていったからわざわざこのおれが届けに来てやったんだ。ったく!普通あんなデッカイもの忘れるか?!」

 「で?で?!何でここがっ??」

 「石川と小森がおれに探してこいと言ったんだよ。親しくもないおれに頼んでくるアイツらの図々しい性格なんとかなんねーの?それからおまえもいい歳して迷子になってんじゃねーよっ」


 今自分が置かれている状況を受け止めることで精一杯の琴子が出す短い言葉にごく当たり前のように言わんとすることを読み、答えていく直樹は同居しているからかそれ以上のものがあるのか。けれど今までの直樹だったら理美やじんこがいくら頼んでも引き受けないはず。でも現実この場所の琴子の目の前に直樹は居る。
 それが琴子にとってどれくらい衝撃的なことだろうか。


 「・・・い、いり・・・いりえ・・・くっ・・・」


 ポロポロと涙が溢れる。
 今日、琴子はどれくらい泣いただろう。

 一人ぼっちになって不安で堪らなくて零した涙。
 直樹に力いっぱいデコピンされて痛くて流した涙。
 そして目の前に直樹がいて、助けてくれて、安心して流れる涙。

 そんな琴子を見て直樹は溜め息を吐いた。


 「よくもそんなに泣けるものだな。そのうち干からびるぞ。」


 甘い言葉も慰めの言葉も何もないけれど、琴子は目の前の直樹がとても優しく感じる。


 「う・・・うわぁぁぁぁん~~いりえく~~ん!!」


 琴子は目の前にいる直樹に鉄砲玉のように飛びつき力いっぱい抱きついた。
 ヤンキーのように座っていた直樹は咄嗟に琴子を受け止めるべく手を広げたものの踏ん張りが効かずにそのまま琴子を抱えたまま後ろに倒れてしまった。


 「い・・・・・・ってぇな!!なにすんだよ!!」

 「入江くん!!こわか・・・た・・・恐かったよぉぉぉぉ」

 「・・・。」


 ぎゅうぎゅうと力いっぱい抱きついて泣く琴子に直樹は何も言えなかった。
 卒業式のキス以来必要以上にまとわりつかなくなっていた琴子。そんな琴子がためらいもなく抱きついている。
 それは今日の出来事がどれだけ不安で恐かったかを表している気がして。
 また、琴子の動向を見ていた花見客も安堵の表情を浮かべている人もいてますます直樹は何も言えなくなり大きな溜め息を吐くだけに終わった。

 
 「ほんっと、マジで勘弁。」


 ボソリと呟いて自分の胸に広がっている栗色の髪を一束手に取った。
 さっきナンパ男が掴んでいた髪はどの辺りだっただろうか。
 直樹は無意識に手が伸びてその部分を大きな手でゆっくりを撫でた。
 栗色で猫っ毛の琴子の長い髪。

 (『吸い付くような肌』という表現はあるけれど『吸い付くような髪』という表現もあってもいいかもしれないな。)   
 
 直樹はその気持ちに従うように何度も何度もその髪を手に絡ませていた。







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 無事に救出!!ですよね??(^_^)


 またちびちびと作業します~(^_^)



 
  
  
  
 
 

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んっもう、このバカップルwwwww

美味しすぎです、narack様!!ありがとうございます~!!
動き回りすぎて安静を言い渡され早数週間……その間に何とか自ブログを弄るのが精一杯で、narack様のところも足繁くとはいかなくなってしまっていて申し訳ありませんでした(><)
久しぶりに遊びに来たら、思わずにやけてしまうお話が2話もアップされていて、嬉しい悲鳴です♪

入江くんったら、自分以外の男が琴子ちゃんに触るのは嫌だったのね。そうなのね!むふ、むふふ……(変態)♪
年上にも負けない入江くんの眼光とか、ナンパすら打ち砕く琴子ちゃんの可愛らしさとか萌えポイントはたくさんあったのですが、語りはじめると変態度に拍車がかかりそうなので自重しときます(笑)。

お忙しいとは思いますが、お体大事になさって、また楽しいお話を読ませてくださいね(^^)
ありがとうございました!

おはようございます(^^)/
遅くなっちゃいましたが~入江スッパマン素敵です。ちっとも自覚してないけど琴子ちゃんは自分のもんだって独占欲丸出しだよ。
この場合ナンパ男達に同情した方が良いのかしら?とんでもないバカップルに関わってしまったのよね。飲んだくれた琴子ちゃんを取り扱えるのは入江くんだけですよ(笑)
思いっきり顔を近づける入江くんは萌え萌えでございます。

Re: miyacoさま。

こんにちは☆

コメントありがとうございます♪

あわわわ(>_<)!!miyacoさん大丈夫ですか~?!
そんな大変ななか来て下さりコメントまで残していただいてぇぇぇぇ!!ありがとうございます!!
残り少ないプレママ生活、くれぐれも無理はなさらずにご自愛下さいませ!!

そしてそしてっmiyacoさんの萌えセンサーに引っかかることが出来て嬉しゅうございます♪
入江くんの独占欲はこんなに丸出しなのに本人気付かずってホントあり得ないですけれど(^_^;)
それこそが我が家の入江直樹ですので~。
あと1話で終わりますので、体調の良い日に覗きに来て下さいませね♪

Re: 紀子ママさま。

こんにちは☆

いえいえこちらこそいつも素敵なコメントありがとうございます♪

入江スッパマンは役目をしっかり果たせましたでしょうか(^_^;)
独占欲丸出しで護るというより威嚇しかしていませんが・・・(大汗)
そうそう飲んだくれ琴子ちゃんを扱えるのは入江くんだけ、でないと新婚旅行で最終日まで何もせず過ごせる気力体力ないですよ~。
顔を近づける行為も入江くんにとっては単なる嫌がらせなんですが世間一般ではバカップル行為という事に気付かない重症者ですが、あと1話こんな2人にお付き合い下さると嬉しいです♪

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