入江直樹、抜き打ちテスト -1-
漸く再開~(*^_^*)
約10日振りのお話更新させていただきますね。
タイトルからお分かりだと思いますが、すんごくくだらないお話です。
しかも3話・・・。
ブログ開設以来、初の理美目線です(^_^)
ちょっと短めになっています、ごめんなさいm(_ _)m
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「あ。入江くんと琴子だ。」
1日の講義が終わり程よい疲れを感じながら学内を歩いていると一緒に歩いていたじん子が言った。
その言葉につられて前を見ると帰宅する学生で学内は溢れているのにもかかわらず並んで歩く入江くんと琴子を簡単に見つけることが出来た。
「あんな風に自然に歩いている2人を見ると、本当に夫婦になったんだなって実感しちゃうねー。」
じん子の言葉にあたしも「そうだね。」と頷いた。
確かに入江くんが嫌がらずに琴子と一緒に歩いているのを見ると良かったなぁって思う。
一途でひたすら入江くんだけを想い続けた琴子。
入江くんが自分の気持ちに気付いてくれるまで琴子は本当に辛い思いをたくさんしてきた。
もしあたしが琴子の立場だったら絶対途中で諦めてたと思うもん。
あんなに辛い思いをし続けたらきっと次の恋も出来なくなる。
だから、今、入江くんの隣を堂々と歩いている琴子を見ると良かったねって心の底から思う・・・思うんだけどね。
そう思うが故なのかな、ある一つの疑問が浮かんできてしまった。
それは入江くんがちゃんと琴子を大切に、そして愛してくれているかということ。
あたしの目の前には入江くんの顔を見つめながら嬉しそうに歩いている琴子がいる。
琴子の顔を見ているとそれはそれは幸せそうだ。
けれど、入江くんは?
今、あたしの目に映っている入江くんは申し訳ないけど琴子を大切にしているかなんて分からない。
琴子の顔を見ることなくただひたすらに前を向いて、隣を歩く琴子が競歩のように一生懸命に歩を進めていることに気付かず自分のペースで歩いている入江くんからは。
「・・・入江くんってさ、本当に琴子のこと好きなんだよね?」
「え?」
心に留めておくのが妙に苦しくってあたしはポロっと口に出してしまった。
今さっきじん子の言葉に頷いたのに真逆な事を言ってしまったあたしを驚いた顔で見ている。
「どうしたのよ?理美?」
「いや、確かにじん子が言うように夫婦になったなっていうのは思うんだけど。」
けど・・・とあたしは今思っていることを話した。
例えば、入江くんが琴子と結婚することを決めたのは金ちゃんに取られるのが惜しくなったからっていう所有物みたいな軽いものなんじゃないかとか。
ここに琴子がいたら絶対話すことは出来ない。
もちろん琴子の心の中も分からないけれど幸せそうに歩いている琴子に余計な心配なんて掛けたくないし。
そんなことを思いながら話すとじん子も分かっていたかのように「それはあたしも思っていたことだよ。」と言った。
次に驚いたのはあたしで、じん子はふふっと笑いながら前を歩く入江くんと琴子を指さした。
「だって、あの2人の間にある距離見たら誰だって思うんじゃない?」
「あ、じん子も気付いてたんだ。」
「まぁね。でも理美も同じ事思ってたんだね。」
あたしかじん子が否定してたら気のせいかな、思い過ごしかな?って思うんだけど、2人揃って思うって事は確実って事で。
あたし達は入江くんと琴子を見た。
そこには、並んで歩く2人の間には人一人入れるくらいの隙間みたいなものが存在している。
あたしもじん子もその隙間が気になって仕方がない。
結婚したのに、夫婦になったのに、あんなに辛い日を乗り越えた2人なのに、出来る隙間じゃないって思う。
もっと寄り添っていても良いと思う。
「でも、入江くんの性格を考えると人前でイチャイチャするタイプではないし、ましてやここは直ぐ噂になるし。」
「でもそんなの今更じゃない!今まですっごく辛い思いを琴子にさせておいてあの隙間はないっしょ!」
だってそうでしょ?!入江くんが突然大企業の令嬢と婚約したときから琴子は泣いて泣いて、それでも一度も入江くんを責めることはしなかったのよ。逆にあたし達が入江くんを悪く言ったら入江くんを守ろうとしていたのよ?ただひたすらに入江くんの将来の幸せを願って。
もう二度と入江くんと一緒に居られないとわかった後でもただ真っ直ぐに入江くんだけを見てきたのに。
だからこそもう少し入江くんに大切にされるべきだと思う。
でも悲しいかな、琴子がそんなことを思っていたなんて入江くんは知らなかったりするのよね。
そう思うと余計に琴子が可哀想になってきてしまう。
でも今、琴子は入江くんの隣を競歩になりながらも凄く幸せそうに歩いている。きっと琴子は手を繋いだり腕をくんだり、ゆっくり話ながら帰りたいって思っているはずだもん。けど入江くんのことだから「一緒に帰ってやるかわりにベタベタするなっ」って条件出してるのよ!!
ほんっとーに嫌な男ね!入江直樹!
身勝手な言い分だって分かってるけど、もっとこう・・・幸せそうな姿かラブラブな姿が見られたらあたし達も安心していられるのに。
・・・と思ってあたしは「あっ!」と声を上げた。そしてそのままじん子の肩をがしっと掴む。
「今から抜き打ちテストをしようよ!」
「はぁ?!」
きっとあたしは突拍子な事を言っているんだと思う。じん子の顔を見れば分かるもの。
「だから、これからあの2人の後を付けて入江くんの琴子の愛情度を確かめに行こう!!」
「えぇ?!」
「入江くんが外でいちゃつくような性格じゃないことは百も承知よ!でも人気が少なくなったところとか、知ってる人が少ない所だったら入江くんの見えないところが見えるかも・・・っ」
「ちょ・・・理美、落ち着いてよ。」
「あたし、今琴子がちゃんと幸せか確かめたいの!」
「理美・・・。」
こんな事、自己満足だと思う。
だって目の前の琴子は本当に幸せそうだから。
どんなに琴子が入江くんの歩くスピードに付いていくのに必死でそれを入江くんが気付いてくれなくても、話しかけても返事せずにただ前を見て歩いていたとしても。
隣に入江くんが居てくれるという事実だけで幸せと感じていると思うから。
あたしの気持ちを伝えるとじん子は「分かった」と了解してくれた。
ここから入江くんと琴子が愛の巣へ帰るまで。
入江くんの愛情度抜き打ちテスト。
もし琴子への愛情や優しさが全く感じられなかったら、タダじゃおかないんだから!!
あたし達は校門を出て曲がっていった方向へダダっと走っていって校門の角からこそ・・・と2人を見つめた。
入江直樹、抜き打ちテスト。採点開始!!
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まぁ、アホアホな話ですが。暇つぶしにどうぞ・・・(*^_^*)
そして、続く・・・(汗)