スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Coffee Break  ~Act.Ⅱ~

大学時代です☆




Coffee Break ~Act.Ⅱ~
   〈university ver.〉







 「おはようございます。」


 あたしは元気におじさん、おばさん、裕樹くんに挨拶を済ますと、ダイニングテーブルに座らずおばさんの居るキッチンに向かう。


 「琴子ちゃん、今日もお願いしてもいいかしら?」

 「はいっ」


 あたしはニッコリと笑っていつもの準備をする。
 棚から必要なモノを取って、丁寧に心を込めてゆっくりと。
 しばらくするとキッチンから香ばしい香りが広がる。

 あたしは、この香りが大好き!
 あたしの気持ちもこの香りと一緒に広がってくれればいいのに。

 少しずつ出来上がる滴をじっくり見つめているとリビングの扉が開く音がした。


 「おはよう。」


 大好きな人。
 あたしは大好きな気持ちをたっぷり込めて作ったそれをカップに注ぎ、丁寧にゆっくりと運んだ。


 「おはよう、入江くん。」


 あたしは入江くんの前にコーヒーを置く。


 「・・・(お)はよ。」
 

 そう言って入江くんは迷わずカップを手に取ってくれる。
 あたしは入江くんの隣に座って、じぃっと入江くんを見つめる。
 入江くんはゆっくりとコーヒーを口に含むと「コクンッ」と小さな音を立てて喉に通していく。

 その光景がもう幸せで、うっとりする。
 だけど、もっと素敵と思うのはこの後で。

 入江くんは一口コーヒーを飲むと必ずっていっていいほど目を細めて優しい顔をするの。
 あたしはこの入江くんの表情が大好き。
 そんな入江くんを飽きることなく眺めていると、入江くんがあたしをジロッと睨んだ。


 「・・・なんだよ。ジロジロと朝から気持ちワリーな。」

 「・・・ね・・・コーヒーどう?おいしい?」

 「別に、フツー。」

 「そっか・・・。」


 あたしは最後にはコーヒーを飲み干してくれる入江くんを知ってるから、思わず笑みが零れてしまう。

 
 「ふふ・・・。」


 入江くんが眉間に皺を寄せてあたしを見てるのを感じつつ目の前の朝食を食べた。







 「行ってきま~す。」


 先に行ってしまった入江くんを追いかける為に早足で急ぐ。
 入江くんに追いつくと、あたしはそっと入江くんのシャツを掴む。


 「ね、入江くん。今日はテニスしに来る?」

 「今日は忙しいから無理。」


 あたしは見上げて入江くんの顔を見ながら話すけど、入江くんは前ばっかり見て目も合わせてくれないの。

 でもいいの。
 今は両思いにならなくたって。
 いや、そりゃあ両思いになれたらすっごくいいんだけど・・・。
 あのね、なんでそう思っちゃうかというとね。

 今、入江くんの隣を一緒に歩かせてくれるから。
 掴んだシャツを振り払うことなくずっとそのままでいさせてくれること。

 あたしは、それだけで幸せ。


 「なんだよ・・・朝からずっとニタニタ気分ワルイ。」

 「もう・・・! ニコニコって言ってよ!」

 
 前を見ず入江くんを睨みながら歩いていると、小さな段差に躓いて転びそうになった。

 「キャッ」っと前に倒れそうになる。

 あたしは咄嗟に手を出そうとしたけど間に合わず、そのまま顔面から地に着きそうになり思わず目を閉じてしまった。

 ―――けれど。



 
 ふわり。




 宙に浮いた。



 「おまっ あっぶねーな! ガキじゃあるまいし、前を向いて歩けよ!!」


 入江くんが抱きとめてくれてた。
 予想される痛みを覚悟してたけど、着地したのは入江くんの腕の中。
 あたしはビックリしたのと恥ずかしいのでドキドキ、顔の熱さが収まらない。


 「あ、ありがとう///」


 きっと茹でダコになっているだろう、あたしの顔を覗いてる入江くん。
 そしたら入江くんは「ったくー。」って溜め息をついてあたしの手をぎゅっと握った。


 「・・・ほら、行くぞ!」


 あたしは引きずられるように早足の入江くんに合わせて歩く。
 どっちかといえば歩くより走ってるに近い。

 シャツを掴んでるだけで幸せなのに、今日は入江くんと手を繋いで大学へ向かう。
 あたしは胸がキュンっとなる。


 「ね・・・入江くん。」

 「・・・なんだよ。」

 「コーヒー美味しかった?」

 「・・・。」


 あたしはしつこく朝と同じ質問をする。
 入江くんは何も答えない。
 でも「おいしかった」って言ってくれた気がするの。
 なんで分かったか・・・っていうとね、繋いだ手から伝わった気がしたから。

 あたしが入江くんに聞いた後、何も言ってくれなかったけど入江くんは繋いだ手をぎゅって力を込めて握ってくれたから。


 ますます大好きになっちゃうよ・・・入江くん。

 いつもはあたしの事相手にしてくれないし、してくれても馬鹿にしたりするばっかり。
 けれど、分かりづらいけど、こんな小さな優しさがあたしの気持ちを大きくしてくれる。


 「入江くん。やっぱり大好き。」

 「耳にタコ。」

 「ホントだよ~。ずっと好きでいるから、振り向いてくれなくてもずっとだよ。」

 「好きにすれば?」


 あたしは、入江くんのぬくもりを感じながら大学へ向かった。

                      
                                       《END》

コメントの投稿

非公開コメント

何気ない優しさ

何気ない優しい入江君、手を握り返してくれるところ、
胸がキュンってなって、いいな~琴子って思いました。
次のお話も楽しみです。ワクワクします。

Re: じぇぐんよんさま。

こんにちは☆

コメントありがとうございます♪

ひゃー(>_<)
懐かしいお話にまで目を通してくださってありがとうございます!
こいつらなんでこれで付き合ってないの的な無自覚炸裂なお話でしたね・・・(汗)
イリコト熱がもの凄い時に創作したんでマジで恥ずかしいですが、喜んでくださって嬉しいです!
私も改めて読み返して初心に戻ろうって思いました。
プロフィール

narack

Author:narack
☆いらっしゃいませ☆
 こちらは「イタズラなkiss」の二次創作と管理人の好きな物etcをつぶやくblogです。

 イタズラなkissに関しましては管理人の勝手な想像、妄想によるものですので二次世界が苦手な方はご遠慮ください。
 また、作者様、出版社様、その他関係者様とは一切関係ありません。

 管理人の創作で少しでも笑顔になれたら嬉しいです。
 皆様がHAPPYになりますように。

最新記事
最新コメント
カテゴリ
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
カウンター
現在のお客様
現在の閲覧者数:
☆リンク☆
Swinging Heart (ぴくもん様)
こんぺい糖と医学書 (千夜夢様)
*初恋* (miyaco様)
雪月野原~snowmoon~ゆづきのはら (ソウ様)
Embrasse-moi (えま様)
みぎての法則 (嘉村のと様)
真の欲深は世界を救う (美和様)
日々草子 (水玉様)
むじかくのブログ (むじかく様)
みんなのイタKISSブログ (ルン様)
Snow Blossom (ののの様)
『ハピ☆スマ』バナー
相互リンクはイタズラなKissの二次創作サイト様のみ受け付けております。 その他のサイト様とのリンクは受け付けておりませんのでご了承ください。 ☆イタキス創作家様へ☆ お持ち帰りの際は、ご連絡をお願いします。
☆新しくバナーを追加しました♪リンクされている方はお好きな方をお選びください☆
このブログをリンクに追加する
月別アーカイブ
最近のハマりもの♪
なんだか気になって仕方がない 『うたプリ♪』 ※曲が流れます♪        
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。